馬産地コラム

フォーカルポイントを訪ねて~白馬牧場

  • 2010年03月08日
  • 白馬牧場にて余生を送っているフォーカルポイント
    白馬牧場にて余生を送っているフォーカルポイント
  • 同

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  • やんちゃなぐらい元気一杯
    やんちゃなぐらい元気一杯
 2004年の京成杯(G3)の勝ち馬フォーカルポイント(白老ファーム生産)を訪ねた。現在は新冠町の白馬牧場で功労馬として余生を送っている。

 日頃お世話をしている白馬牧場スタッフの長谷川さんに近況を伺うと、「体調面は良好です。カイ食いも良く、脚元も問題ありません。こちらに来てから2、3年経ちますが、環境にもすっかり慣れましたね。」と、いたって健康に過ごしている様子だ。

 放牧地へ会いに行くと1歳馬たちの隣の放牧地で軽やかに歩いていた。冬季は朝6時から午後3時30分頃まで放牧しているという。「まだ9歳ですからね、馬は若いですよ。少しやんちゃなぐらいです。」と、長谷川さん。引退レースとなった2006年のオーロCから3年以上経ったが、馬を見ていると今でも競馬場で走れそうなぐらいフレッシュな印象を受ける。

 現役時代は脚元の故障で長期休養を挟んだため、2歳~5歳の僅か15戦のキャリアで引退となった。2004年の京成杯(G3)では後のG1馬キングカメハメハ、スズカマンボを下して見事優勝。その時の勝ちタイム1分59秒2は1999年に京成杯が芝2000mに変更されてから最も早いタイムで、非凡な能力を示した。

 フォーカルポイントと同じ2001年生まれの世代は国内外のG1馬を多く輩出した最強世代。例を挙げればアジュディミツオー、キングカメハメハ、コスモバルク、スイープトウショウ、スズカマンボ、ダイワメジャー、ダンスインザムード、デルタブルース、ハットトリック、ハーツクライ、メイショウボーラーなど枚挙にいとまがない。昨年もカンパニーが古馬G1レースで活躍し、世代の層の厚さを証明した。フォーカルポイントの戦績をひも解くと、そうそうたる顔ぶれとしのぎを削っていたことがわかる。

 徐々に日も長くなって、北海道の長い冬もようやく終盤を迎えている。放牧地の雪もとけて、馬にとっては過ごしやすい季節の到来だ。北国の静かな地でフォーカルポイントも春の足音を感じていることだろう。長谷川さんは、「これからも元気でいて欲しいですね。」
と、温かく見守っている。
取材班