キネティクスを訪ねて~福島県・松浦RC
2006年の富士ステークス(G3)を制したキネティクス(牡11歳、父フォーティナイナー 母インキュラブルロマンティック)を福島県南相馬市の松浦ライディングセンターに訪ねた。
本馬は2001年8月、栗東の新川恵厩舎からデビュー。3戦目に初勝利を挙げると、4戦目も連勝、NHKマイルカップ(G1)に挑戦したが11着と敗れた。その後はコツコツと勝利を積み重ね、5歳シーズンの2005年11月にキャピタルステークスでオープン勝ち。この年の富士ステークス(G3)では1番人気に推されたものの勝ち馬ウインラディウスの0.2秒差3着に惜敗した。
7歳となった2006年の富士ステークス(G3)では、単勝75.2倍の16番人気という低評価だったが、スズカフェニックスやテレグノシスを相手に見事に優勝、前年の雪辱を果たした。通算成績41戦8勝を挙げ、2007年の欅ステークス14着を最後に引退した。
2007年9月に松浦ライディングセンターへとやって来た本馬だが、現在はBTCの功労馬制度(引退名馬飼養環境整備事業)の助成を受けながら、『相馬野馬追』にも参加している。
『相馬野馬追』は国指定重要無形民俗文化財に指定される馬文化の伝統行事であり、毎年7月23~25日の3日間、福島県相馬市及び南相馬市(原町区・小高区・鹿島区)で行われる。1日目「宵祭り」、2日目「本祭り」、3日目「野馬懸」が行われる。2日目の「本祭り」は祭りのクライマックスとも言われ、戦国時代を思わせる500頭近い騎馬と武者達の行進である『お行列』や、祭場地である雲雀が原で行われる『甲冑競馬』や『神旗争奪戦』が行われ、毎年多くの観光客で賑わっている。
この祭りに参加する馬は、祭りのために相馬周辺で飼われている250頭余りと、全国各地から集まってくる250頭余りの馬たちで行われているが、相馬周辺で飼われている馬の中には元競走馬も多い。重賞を勝った馬もたくさんいて、その数は30頭近くになるだろうか。
松浦ライディングセンターはポニーを含めて11頭の馬を飼養しているが、キネティクスの他に、ゴッドオブチャンス、ワンダフルデイズ、ブレーブテンダーと4頭もの重賞勝ち馬が居る。その全てが、現役時代にノースヒルズマネジメントを中心として所有されていた馬たちであるが、ノースヒルズマネジメントに地元出身の関係者が勤めているという縁から、馬を紹介して貰って預かっているという事だ。
7年前に騎馬武者を引退したものの、33年間も『相馬野馬追』に参加したという、松浦ライディングセンター代表の松浦秀昭さんだが、本業は稲作農家で、2名の厩舎従業員や祭り仲間(馬仲間)の手伝いなどを受けながら、11頭の馬の面倒を見ているそうだ。
本馬の性格に関して伺ったところ、「普段は大人しく、悪さもしないんですが、祭りの時だけはやたらと雄叫びをあげてますね。」との事。健康状態も良好で、馬場を使って放牧された時には泥遊びが大好きで真っ黒になるまで遊んでいるらしい。
本馬の弟には2007年のJBCスプリント(Jpn1)を勝ったフジノウェーブ(父ブラックタイアフェアー)や、ホッカイドウ競馬で活躍し8勝を挙げているゴールドコイン(父デヒア)がいる。一昨年の11月には、生産者である笹島政信さんの娘さんが本馬に会いに来たそうだ。
盛大な盛り上がりを見せる『相馬野馬追』の中では、参加している元競走馬を判別している余裕は無いが、雄叫びを上げる猛々しい栗毛の馬が居たら、それがキネティクスかもしれない。
取材班
※『相馬野馬追』に関しての詳細は->「相馬野馬追執行委員会 公式ページ」
本馬は2001年8月、栗東の新川恵厩舎からデビュー。3戦目に初勝利を挙げると、4戦目も連勝、NHKマイルカップ(G1)に挑戦したが11着と敗れた。その後はコツコツと勝利を積み重ね、5歳シーズンの2005年11月にキャピタルステークスでオープン勝ち。この年の富士ステークス(G3)では1番人気に推されたものの勝ち馬ウインラディウスの0.2秒差3着に惜敗した。
7歳となった2006年の富士ステークス(G3)では、単勝75.2倍の16番人気という低評価だったが、スズカフェニックスやテレグノシスを相手に見事に優勝、前年の雪辱を果たした。通算成績41戦8勝を挙げ、2007年の欅ステークス14着を最後に引退した。
2007年9月に松浦ライディングセンターへとやって来た本馬だが、現在はBTCの功労馬制度(引退名馬飼養環境整備事業)の助成を受けながら、『相馬野馬追』にも参加している。
『相馬野馬追』は国指定重要無形民俗文化財に指定される馬文化の伝統行事であり、毎年7月23~25日の3日間、福島県相馬市及び南相馬市(原町区・小高区・鹿島区)で行われる。1日目「宵祭り」、2日目「本祭り」、3日目「野馬懸」が行われる。2日目の「本祭り」は祭りのクライマックスとも言われ、戦国時代を思わせる500頭近い騎馬と武者達の行進である『お行列』や、祭場地である雲雀が原で行われる『甲冑競馬』や『神旗争奪戦』が行われ、毎年多くの観光客で賑わっている。
この祭りに参加する馬は、祭りのために相馬周辺で飼われている250頭余りと、全国各地から集まってくる250頭余りの馬たちで行われているが、相馬周辺で飼われている馬の中には元競走馬も多い。重賞を勝った馬もたくさんいて、その数は30頭近くになるだろうか。
松浦ライディングセンターはポニーを含めて11頭の馬を飼養しているが、キネティクスの他に、ゴッドオブチャンス、ワンダフルデイズ、ブレーブテンダーと4頭もの重賞勝ち馬が居る。その全てが、現役時代にノースヒルズマネジメントを中心として所有されていた馬たちであるが、ノースヒルズマネジメントに地元出身の関係者が勤めているという縁から、馬を紹介して貰って預かっているという事だ。
7年前に騎馬武者を引退したものの、33年間も『相馬野馬追』に参加したという、松浦ライディングセンター代表の松浦秀昭さんだが、本業は稲作農家で、2名の厩舎従業員や祭り仲間(馬仲間)の手伝いなどを受けながら、11頭の馬の面倒を見ているそうだ。
本馬の性格に関して伺ったところ、「普段は大人しく、悪さもしないんですが、祭りの時だけはやたらと雄叫びをあげてますね。」との事。健康状態も良好で、馬場を使って放牧された時には泥遊びが大好きで真っ黒になるまで遊んでいるらしい。
本馬の弟には2007年のJBCスプリント(Jpn1)を勝ったフジノウェーブ(父ブラックタイアフェアー)や、ホッカイドウ競馬で活躍し8勝を挙げているゴールドコイン(父デヒア)がいる。一昨年の11月には、生産者である笹島政信さんの娘さんが本馬に会いに来たそうだ。
盛大な盛り上がりを見せる『相馬野馬追』の中では、参加している元競走馬を判別している余裕は無いが、雄叫びを上げる猛々しい栗毛の馬が居たら、それがキネティクスかもしれない。
取材班
※『相馬野馬追』に関しての詳細は->「相馬野馬追執行委員会 公式ページ」