重賞ウィナーレポート

2018年11月03日 ファンタジーS G3

2018年11月03日 京都競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンファンタジー

プロフィール

生年月日
2016年01月30日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
401,901,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ライフフォーセール(ARG)  by  Not for Sale(ARG)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅

 今年のファンタジーS(G3)で、単勝1.5倍という圧倒的な人気に応えて見せたダノンファンタジー。育成を手がけたノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長は、「早い時期から活躍してくれると期待していました。その期待通りの結果を、2歳重賞勝利という形で証明してくれたことも嬉しかったですね」と笑顔を見せる。ディープインパクト産駒の牝馬にしては幅もあり、馬体重の増減も気にすること無く調教を進められたというダノンファンタジーは、いつしか早期のデビューが目標となっていく。厩舎にいた他の育成馬たちより一足早く、4月には管理を行う中内田充厩舎へと入厩。ゲート試験に合格してからは、ノーザンファームしがらきでの調整を挟まれ、再び中内田厩舎でデビューまでの仕上げが行われていくと、6月3日のメイクデビュー東京に姿を見せる。

 「今から思うとメイクデビューは勝ち馬が強かった(勝ったのはサウジアラビアRC(G3)の勝ち馬となったグランアレグリア)としか言いようがありません。それでも中内田厩舎や(ノーザンファーム)しがらきでの調整もあって、次走(2歳未勝利戦)は成長した姿でレースに臨めただけでなく、強い競馬を見せてくれました」(村上厩舎長)

 この2歳未勝利戦ではプラス18㎏で臨んだダノンファンタジー。それでも充実した馬体の通りに、レースでも完成度の違いを見せつける。初の重賞挑戦となったファンタジーS(G3)もまた、この時期の2歳離れした強い内容となった。スタート後は好位置に付けながらも、並んでいた馬が引っかかり気味にポジションを上げていく。それでも折り合いの不安は見せること無く、最後の直線では馬場の中央に進路を向けると、残り一ハロンで一気に先頭へと踊り出た。

 中内田調教師は昨年のベルーガに続きこのレースを連覇。そしてベルーガもまた、村上厩舎で騎乗育成が行われた馬だった。

 「生産、イヤリング、育成だけでなく、ノーザンファームしがらきや中内田厩舎と全てのバトンが上手く受け渡せた結果だと思っています。中内田先生との縁も感じる勝利ともなりました」

 有り余るほどの完成度の高さをレースで証明し続けるダノンファンタジーであるが、村上厩舎長は、「騎乗育成を行っていた頃から、かなりの伸びしろが感じられましたし、この勝利でクラシックでの活躍も楽しみになってきました」

 次走は阪神JF(G1)を予定。ここでも完成度の違いどころか、来年の牝馬クラシック戦線で主役となっている姿を、容易に想像させるようなレースを見せてくれるに違いない。