重賞ウイナーレポート

2018年10月21日 菊花賞 G1

2018年10月21日 京都競馬場 晴 良 芝 3000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フィエールマン

プロフィール

生年月日
2015年01月20日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
178,859,000円
ディープインパクト
母 (母父)
リュヌドール(FR) by Green Tune(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
手塚 貴久
騎手
C.ルメール

 キャリア4戦目での菊花賞(G1)制覇は史上初の快挙。しかも、前走(ラジオNIKKEI賞(G3))から約3か月半ぶりというローテーションも含め、規格外の菊花賞馬となったフィエールマン。それは、大切に馬を管理してきたホースマンたちの苦労と栄光の証でもあった。

 「ディープインパクト産駒にしては動きに堅さがあり、歩様も決していいとは言えませんでした。2歳の春を迎えてペースを上げる時期にも疲れが出るなどして、順調に乗り込めないこともありました」と話すのは、育成を手がけたノーザンファーム空港の高見優也厩舎長。時間をかけて乗り込んで行きたいとの意向を、管理する手塚貴久調教師へと伝えると、手塚調教師もその意向を受け入れてくれた。その後もケアをしながら乗り込みを続けた結果、秋を迎えてからようやく進捗が見られるようになり、そこから入厩に向けての目処が立ったという。

 「厩舎でも十分にケアしてもらえたと聞いています。先生からは速いところをやると動きがよくなったと聞いていましたが、それでもレースであれだけの切れのある脚を使えるとは思ってみませんでした」

 その末脚でメイクデビュー、山藤賞と連勝。ダービー(G1)の惑星馬としてもその名が上がるようになったフィエールマンであったが、次走は施行時期から「残念ダービー」とも言われた、ラジオNIKKEI賞(G3)となっていた。

 「連勝を重ねた時には、ダービー(G1)も行けるのではとも思いましたが、この時期にレース間隔を取りながら、決して無理をしなかったことが、菊花賞(G1)勝利へと繋がったのかもしれません」

 手塚厩舎だけでなく、ノーザンファーム天栄でも時間をかけて立て直されたフィエールマンは、初めての重賞挑戦となるラジオNIKKEI賞(G3)でも2着。このレースでは勝ったメイショウテッコンに半馬身差及ばなかったものの、メンバー中最速となる上がり34.4の末脚は、負けてなお強しのインパクトを与えた。

 菊花賞(G1)では7番人気の評価でしかなかったが、それでもパドックを周回するその姿からは、TV観戦をしていた高見厩舎長からも確実な成長がうかがえた。

 「久しぶりのレースとは思えない程の仕上がりでしたし、歩様や馬体も前走よりしっかりしている印象を受けました。実はこのレースはフィエールマンだけでなく、ユーキャンスマイル、グローリーヴェイズ、シャルドネゴールドと育成を手がけた馬も出走していたのですが、そのうちの1頭でも上位に来てくれればと思ってもいました」

 ジェネラーレウーノが他の17頭を引っ張っていく流れは、1000m通過が62秒7、次の1000mも64秒2というスローペース。課題のスタートを上手く決めたフィエールマンは、先行勢を交わせるような位置取りでレースを進めて行くと、最後の直線では馬群の中から一気に先頭に踊り出たエタリオウへと並びかける。最後は2頭が並んでのゴールとなったが、ハナ差だけ前に出ていたのはフィエールマンだった。

 「他の3頭も3着(ユーキャンスマイル)、5着(グローリーヴェイズ)、7着(シャルドネゴールド)と共に人気を上回るような着順を残してくれました。しかも、フィエールマンを含めた3頭共に、同じ上がりタイム(33秒9)だったことに驚きました」

 「この4頭は共に同じ鞍で調教をしたこともあります」と話す高見厩舎長。その記憶を4頭共に思い出した結果がこの上がりタイムというわけでも無いのだろうが、同じ調教コースでは、他にも菊花賞(G1)に出走したノーザンファーム空港の育成馬の姿もあった。

 「レースではライバルでありますが、互いに競い合っていることが、この結果に繋がっているとも思います。育成を手がけた他の3頭も次走は更に楽しみになるレースを見せてくれましたし、何よりもG1馬となったフィエールマンが、次にどんなレースを見せてくれるか楽しみでなりません」

 「今回は芝3000mでの勝利となったが、距離がまだ短い方があの末脚は生きてくるはず」とも話す高見厩舎長。次走が楽しみになってくるが、そこでも直線一気の末脚を見せてくれるに違いない。


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