重賞ウィナーレポート

2018年10月06日 サウジアラビアRC G3

2018年10月06日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランアレグリア

プロフィール

生年月日
2016年01月24日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
1,073,813,000円
ディープインパクト
母 (母父)
タピッツフライ(USA)  by  Tapit(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
C.ルメール

 2018年の2歳新馬戦開幕週となったメイクデビュー東京で新馬レコード(1分33秒6)を樹立。その衝撃のデビュー戦から約3か月後。グランアレグリアは再び東京競馬場に姿を見せた。

 いちょうステークスと呼ばれていた頃から、数々の名馬を送り出してきた出世レースでもあるサウジアラビアRC(G3)。重賞に格上げされてからもクラリティスカイ、ダノンプレミアムと2頭のG1馬を送り出している(クラリティスカイはいちょうステークスの優勝馬)。

 このレース、牡馬を退けて1番人気の支持を集めたグランアレグリアの馬体重は、そのデビュー戦から18㎏増の476㎏。この時期の2歳牝馬としても充実しきった馬体と言えたが、ノーザンファーム空港の窪田淳調教主任は、その姿に更なるパワーアップを感じ取っていた。

 「牧場で管理をしていた頃から、完成度の高さは他の育成馬と違っていました。こちらに来た頃から馬格に恵まれていただけでなく、騎乗してみても芯の入り方が違っていましたし、調教に対しての対応力も抜きん出ていた印象がありました」

 2歳戦からの活躍も見込まれたグランアレグリアは、その時点から早期のデビューが視野に入っていく。6月の開幕週デビューから逆算した結果、移動時期はまだ、場内に雪も残っている3月下旬となったが、グランアレグリアは予定されていた調教メニューを順調に消化していく。

 「何も問題なく調教を進めることができました。その後を引き継いでくれたノーザンファーム天栄でもいい状態を保っていたと聞いていますし、2歳戦から相当活躍できるのではとも思うようになりました」

 今回も単勝1.3倍という支持にも証明されたように、ファンの誰もがグランアレグリアの勝利を疑っていなかった。しかし、スタートして間も無く、場内は騒然とする。ゲートが開くタイミングでジャンプをしてしまったグランアレグリアは、最後方からのスタートと余儀無くされた。

 次に場内が騒然としたのは、そのグランアレグリアの走りだった。ペースが落ち着いたのを見越したかのように、一気にポジションを上げていき、向こう正面では2番手に収まり、最後の直線では残り2ハロンで一気に先頭へと踊り出た。

 「レースを見ていても全く不安はありませんでした。出遅れこそしましたが、この頭数ならば馬群を捌いてこられると思っていましたし、グランアレグリアの能力、特にスピード能力の高さならば、直線で突き抜けてくれると信じていました」

 結果は2着馬に3馬身半差を付ける圧勝。メイクデビューと同じ東京芝1600mの条件ながら、タイムはその時よりも遅く(1分34秒0)はなったが、出遅れを問題としなかったレース内容からしても、改めてその強さをまざまざと証明したレースともなった。

 「事前に藤沢先生からは『調教は軽くしている』と聞いていましたし、実際にパドックを周回する馬体を見ていても、まだまだ先を見越した仕上げだったと思います。それでもこのレース内容だったことを考えると、これからどこまで強くなってくれるのか、楽しみになる勝利でした」

 このレース内容を見て、マイルは勿論のこと、距離が伸びても対応できると改めて思ったという窪田調教主任。次走は阪神JF(G1)が目標となりそうだが、来年の牝馬クラシック戦線でも主役を務めてそうなのは想像に難くなさそうだ。