重賞ウィナーレポート

2018年04月15日 アンタレスS G3

2018年04月15日 阪神競馬場 晴 不良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グレイトパール

プロフィール

生年月日
2013年03月29日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦7勝
総収得賞金
178,411,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
フォーチュンワード  by  デヒア(USA)
馬主
H.H.シェイク・ファハド
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅

 ダートグレード競走の古馬中長距離戦線につながっていく重要な一戦「第23回アンタレスステークス(G3)」は新ひだか町の千代田牧場生産が生産した1番人気グレイトパールが最後の直線で力強く抜け出して優勝。11か月ぶりの実戦を感じさせない内容で、ダート転向後の不敗の連勝記録を「6」とし、通算成績を9戦7勝(重賞2勝)とした。勝ち時計は1分49秒8(不良)。

 まさに王者の走り。550キロになろうという大型馬にとって最内枠は決して有利ではなかったが、巧みに外へ持ち出すと向こう正面から徐々に進出。直線入り口で先団に取り付くと、外からライバルたちを力でねじ伏せた。そのレースぶりはホッコータルマエやコパノリッキーといった馬たちが抜けたダート路線に、新しい王者誕生を予感させる内容だった。

 その様子を阪神競馬場でレースを見守った千代田牧場の飯田正剛社長は「休み明けということに加えて不良馬場で前半のペースが速く、前半はついていくのに苦労していたような印象を受けましたが、行き足がついてからは強いのひと言。骨折による長い休養明けにもかかわらず、力を出せる状態に仕上げてくれた中内田調教師と、この馬のことを本当に理解し、初めての距離にもかかわらず内容の伴った勝利に導いてくれた川田騎手には本当に感謝したいと思います」とレースを振り返った。

 グレイトパールは、父キングカメハメハ、母フォーチュンワード(その父デヒア)。曾祖母には千代田牧場が生産、育成し、エリザベス女王杯に勝ったビクトリアクラウンがいる血統だ。

 「生まれたときから見栄えのする馬で、牧場期待の1頭でした。背が高く、スラッとした馬で、良い意味でキングカメハメハ直仔らしくない馬でもありました」。自信を持って2013年のセレクトセール当歳セッションに上場し、世界的な大オーナーでもあるファハド・アル・サーニ殿下の代理人デヴィッド・レッドヴァース氏によって落札されている。

 「輸入牝馬全盛の時代で、それは否定するものではありませんがワールドハヤブサに遡るこのファミリーは、ニッポーテイオーやタレンティドガール、ホエールキャプチャなど多くの活躍馬を当牧場にもたらしてくれました。私たちにとっては宝物のような存在です。ワールドハヤブサの導入から約半世紀。この血統を絶やさずに、市場で高い評価を受ける馬や、こうした活躍馬を送り出せたことは、生産者としての誇りです」と胸を張った。

 不敗のまま王道を突き進むグレイトパールにとって、春の最大目標は帝王賞(Jpn1)。「G1、Jpn1競走に出走するためには賞金を加算しなければなりません。ここまできたら、とにかく無事に出走してくれることを願うばかりです」と期待に胸を膨らませている。