重賞ウィナーレポート

2018年03月03日 チューリップ賞 G2

2018年03月03日 阪神競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラッキーライラック

プロフィール

生年月日
2015年04月03日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:4戦4勝
総収得賞金
737,467,000円
オルフェーヴル
母 (母父)
ライラックスアンドレース(USA)  by  Flower Alley(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
松永 幹夫
騎手
石橋 脩

 今年の桜花賞(G1)に当確ランプが点った。桜花賞(G1)トライアルであり、今年からG2に昇格したチューリップ賞(G2)。その節目となるレースで勝利を収めたのは、昨年の2歳牝馬チャンピオンであるラッキーライラック。同条件で行われた昨年の阪神JF(G1)から勝ち時計を1秒縮め、2着のマウレアとの着差は2馬身差と、まさに非の打ち所がないような完勝となった。

 「パドックを周回する姿を見た時に、馬体の張りや力強い歩様などからも、阪神JF(G1)からの成長が見て取れました。状態はいいと聞いていましたが、それが改めて確認できましたし、この状態なら勝ち負けの競馬になると確信できました」とは、ラッキーライラックの育成を手がけたノーザンファーム空港の伊藤賢厩舎長。現在、ノーザンファーム空港ではデビューを控えた2歳馬たちの取材が始まっているが、当時のラッキーライラックは決して目立っていた馬では無かったと話す。

 「ちょうどこの頃は体質の弱さも見え隠れしており、他の管理馬たちと比べると、決して評価の高い馬とは言えませんでした。それでも暖かくなってから一気に良化を遂げていきましたし、入厩してから更に成長を遂げたのだと思います」

 育成時から折り合いには苦労をしなかったというラッキーライラックだが、それは先行して抜け出すレース内容からも証明済み。今回は直線で早めに先頭に立つ形となったが、それでも終いまできっちりと脚を使って見せた。

 チューリップ賞(G2)、そして、阪神JF(G1)と同じ阪神芝1600mで行われる桜花賞(G1)はコース条件だけでなく、これまで戦ってきたメンバーとの力量的にも、改めて強さを証明する、格好の舞台となるはず。しかし、伊藤厩舎長はそれ以降の活躍にも太鼓判を押す。

 「元々、距離は長い方がいいと思っていましたし、更に大きなタイトルを狙えるようなスケールも持ち合わせているはずです。牧場時からデビューまで、そして2歳時から3歳時にかけての馬体やレースぶりにも証明されているように、成長力も兼ね備えているので、桜花賞(G1)では更に強い姿を見せてくれると思います」

 史上7頭目となる無敗の桜花賞馬へ。その向こうにあるのは、競馬史に残るような「名牝」の道ともなりそうだ。