重賞ウィナーレポート

2017年11月05日 みやこS G3

2017年11月05日 京都競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テイエムジンソク

プロフィール

生年月日
2012年04月21日 05歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:23戦8勝
総収得賞金
308,130,000円
クロフネ(USA)
母 (母父)
マイディスカバリー  by  フォーティナイナー(USA)
馬主
竹園 正繼
生産者
日高テイエム牧場株式会社 (門別)
調教師
木原 一良
騎手
古川 吉洋
  • テイエム牧場の看板
    テイエム牧場の看板
  • 母マイディスカバリー
    母マイディスカバリー
  • 母マイディスカバリー、おっとりとした性格
    母マイディスカバリー、おっとりとした性格
  • マイディスカバリーが暮らす繁殖施設
    マイディスカバリーが暮らす繁殖施設

 11月5日京都競馬場で行われた「第8回みやこS(G3)」は大外枠を引き当てた2番人気のテイエムジンソクが道中4番手追走から4コーナー手前で先頭に立ち、最後の直線は後続を突き離して重賞初制覇を果たした。

 同馬を生産したテイエム牧場は、G1競走を7勝したテイエムオペラオー、桜花賞(G1)などG1競走3勝テイエムオーシャンの馬主として有名な竹園正繼氏が開場した生産牧場。本場は1998年に鹿児島県垂水市に開場したテイエム牧場だが、ほか新テイエム牧場、テイエム牧場日高支場、テイエム牧場門別育成場と施設を増大し九州と北海道で合わせて27頭の繁殖牝馬を繋養して生産と育成に力を入れている。これまでにテイエムチュラサン(2005年アイビスサマーダッシュ(G3))、テイエムエース(2008年東京ハイジャンプ(JG2))、テイエムトッパズレ(2009年東京ハイジャンプ(JG2))などの活躍馬を輩出している。

 同牧場繁殖厩舎の責任者鈴木正夫さんは自宅でレースを見ていたそうだ。「最近のレースで良い走りをしていたので今回も期待はしていましたが、反面また前走のように足元をすくわれてしまうかもしれないという思いを持ちながら見守っていました。ですが4コーナーを周った時にはもう大丈夫だと勝利を確信できました。がむしゃらに前に向かうあの顔を見たら、どれだけ一生懸命に走っているのかが伝わって来て胸がつまります。やってくれたな!という思いはありますが、喜びを表面に出すとジンソクに失礼な気がするので、そっと心に秘めて静かにかみ締めます。」と柔らかな笑みを浮かべながら自身の家族の事を語っているかのように暖かい言葉で勝利をたたえた。

 当歳の頃はトモがうすくて馬体が小さく華奢だったので、大きな期待を寄せられてはいなかったそうだ。「自分の感情を表に出す仔でした。気分が乗らない時はやんちゃで、人を蹴ったりもしましたが逆に気分が良い時はとても素直に言う事を聞いてくれる、気分屋で自我が強いタイプでしたよ。母のマイディスカバリーは大人しい性格なので、父のクロフネに似たのかもしれませんね。群れの中に入っても一頭でいる事が多かった。当歳の頃の写真を見てみたのですが、どうしてこの仔がこんなに活躍できる馬になれたのだろうと不思議に思うくらい。それが2歳になると馬体が少しできてきて栗東に移動して走らせてみたら、能力があるかも知れないという事になり、調教を積み重ねて今の状態になったようです。馬はわからないものですね。」長年の経験をしても、能力がどこで開花するのかわからないから面白みがあるのかも知れない。

 母のマイディスカバリーはクロフネを受胎した状態で購入した繁殖牝馬で、テイエムジンソクが初仔だった。「集牧の時も最後まで待っているような大人しい馬で世話も全然手がかからないです。普通、初めての出産の時は自分が何をしたのかわからずおどおどするものですが、彼女はジンソクを静かに出産しておっとりと立っていました。精神的に落ち着いているのです、大物なのかも知れませんね。安産型で仔出しも良くて、産駒は種牡馬の特徴を出している仔が多いように思います。重賞勝ちするような仔を産んでくれて嬉しいですが馬は敏感に感じ取って、やきもちを焼いたりするのでこれからも今までと変わらず他の馬と同じく平等に愛情を注いで大切にしていきます。出来る限り、出来る事を努力して無事に出産できるように心がける、生命を預かる職業ですから無責任な事は出来ないですね。だからこそ無事に出産した時の喜びと感動は大きいですよ。今年の当歳、父トランセンドの牝は母の性格に似ておっとりしていて馬体はふっくら。兄のように活躍してくれたら嬉しいですね。」実直に馬と向き合う繁殖、育成スタッフの努力と愛情を受けた若駒達もデビューに向けて準備を整えている。

 G1初挑戦となる次走、「この勝利でチャンピオンズC(G1)に向けて弾みが付きました。本番では良いレースをして無事に走ってくれよという思いです。」故郷からの真心がこもったエールを受けて、スピードの持続力を武器に一気にターフを駆け抜ける好勝負に期待したい。