重賞ウィナーレポート

2017年10月07日 サウジアラビアRC G3

2017年10月07日 東京競馬場 曇 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンプレミアム

プロフィール

生年月日
2015年04月03日 02歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
418,129,000円
ディープインパクト
母 (母父)
インディアナギャル(IRE)  by  Intikhab(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅
  • 母インディアナギャル
    母インディアナギャル
  • 来年はロードカナロアの産駒を出産予定
    来年はロードカナロアの産駒を出産予定
  • 牧場エントランス
    牧場エントランス

 過去に、イスラボニータ、メジロドーベル、エアグルーヴといった後のG1ホースたちを送り出した「いちょうステークス」。2014年からは重賞に格上げされ、翌年からは「サウジアラビアロイヤルカップ(G3)」に名称変更。グレードレースとして格付けされて、今年で3回目を迎えた同レースを制したのは2番人気に支持されたダノンプレミアムだった。

 スタート後、先行策から直線で楽々と抜け出すと、1番人気のロードカナロア産駒ステルヴィオの追撃を封じ込める完勝。勝ちタイムの1分33秒0は従来の東京競馬場の2歳コースレコードをコンマ5秒更新するものだった。

 ダノンプレミアムは新ひだか町三石のケイアイファームの生産馬。2015年4月3日に母インディアナギャルの第4子として生まれている。同ファームは1987年の開場以降、生産から育成までを一貫して行う総合牧場としてこれまでに多くの活躍馬を世に送り出し、近年ではG1競走を6勝し年度代表馬に輝いたロードカナロアの生産牧場としても知られている。同レースを現地で観戦していたというケイアイファームの中村智幸ゼネラルマネージャーは「インディアナギャルの仔たちは、ダノンプレミアム同様に高い素質を秘めていましたが、怪我などに泣かされて思うように結果が出ずに歯痒い思いをしていただけに、やっとこの血統で重賞を勝つことができてホッとしています」と安堵の表情を見せていた。

 アイルランドの重賞戦線で入着を重ね、6勝をあげたあと日本に輸入されて繁殖生活をスタートさせたインディアナギャルは、本馬を含めてこれまでに3回、ディープインパクトを配合している。同ファームとしても力を入れている繁殖牝馬の1頭だそうだ。「もちろん配合の段階から牧場でもトップクラスの期待度でした。当歳時は特別目立つタイプではなかったですが、逆を言えば扱いやすくトラブルもなく、順調に育成までを過ごすことができたからこそ早期デビューもできたのではないでしょうか。当牧場の馬作りの基本は『ベスト・トゥ・ベスト』最良の種牡馬に最良の繁殖牝馬を配合することを大前提としています。今現在、約50頭の繁殖牝馬がいますが、他の大手の牧場さんに比べたら頭数では到底対抗できません。その分繁殖の質を上げ、良質な種牡馬を配合相手に選ぶことで少しでも走る確率をアップさせたい、これは開業当初から一貫して守り続けています」。

 現在12歳となったインディアナギャルは、今年はロードカナロアの牡馬を出産しており、現在もまたロードカナロアを受胎しているそうだ。「生産馬の中からロードカナロアという名馬を送り出すことができましたが、次の目標はカナロアを種牡馬として成功させることが自分たちの使命だと考えています。種付シーズンが近くなるとまずカナロアを配合する繁殖牝馬を厳選することから始まり、毎年20頭以上に種付けを行っています。初年度産駒が順調に勝ち上がってくれて上々のスタートを切ることができたので、今後はさらに上を目指していって欲しいですね。あとは生産馬がコンスタントに成績を残して、毎年重賞を狙える馬を送り出していけたらと思います」デビュー2戦目で重賞を制して一躍脚光を浴びたダノンプレミアムだが、年内はあと1走の予定で、来年はもちろんクラシック戦線を目指していくことになるそうだ。馬産地日高から誕生した新たなスター候補生、まずは年末の大一番で真の主役の座を射止めることを期待したい。