重賞ウィナーレポート

2017年07月30日 クイーンS G3

2017年07月30日 札幌競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アエロリット

プロフィール

生年月日
2014年05月17日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
459,178,000円
クロフネ(USA)
母 (母父)
アステリックス  by  ネオユニヴァース
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
菊沢 隆徳
騎手
横山 典弘

   初重賞制覇だけでなく、初のG1タイトルともなったNHKマイルC(G1)。そのレース後に育成調教を行われていたノーザンファーム空港牧場で調整が行われることとなった。

   「多少の疲れはありましたが、それでも身体の痛みも無く、ケアをしていきながら次のレースまでにやれることをやっていこうとスタッフと話しました」とはノーザンファーム空港の窪田淳調教主任。幸いなことにアエロリット自身も育成時を過ごしたこの場所が、リラックス出来る場所と感じ取ったようで、調整を見に来た菊沢隆徳調教師からも、「トレセンとは違った表情をしている」と言われたという。

   「G1馬になっただけでなく、馬格にも恵まれていますが、それでも5月産まれの馬であり、まだ心身共に子供っぽい部分は見受けられていました。調教スタッフだけでなく、獣医師や装蹄師も含めた、様々な関係者とケアをしてきただけでなく、菊沢先生も毎週のように調教のために乗りに来てくれるといった、総合力を結集できたからこそ、いい状態で厩舎に送り届けることができたのだと思います。

   アエロリットの持ち味は、NHKマイルC(G1)でも見せた先行力。それを生み出すのはスタートセンスの良さとスピード能力の高さでもあったが、このクイーンS(G3)では内枠からダッシュ良く飛び出すと、ぐんぐん後方との差を広げていく。

   「戦前は2、3番手のレースになるのではと思っていただけに、あの走りには驚きました。それでも無理に押さえ込むよりはいいと思っていましたし、セーフティーリードを保ちながら最後の直線へと向かっていたときには、勝ちを確信しましたね」

   後方からトーセンビクトリーやクインズミラーグロなどが差を詰めてくるも、その差は縮まることなく先頭でゴール。3歳馬ということで52㎏の斤量でレースができたこともあるとはいえ、改めてG1を制した能力の高さを、その時よりも1ハロン距離が延びた舞台でも証明することとなった。

   「レース後は牧場へ戻ってきましたが、疲れも見られず、いい感じで調整が行えています。この後は秋華賞(G1)へ向かうローテーションとなりますが、前回と同じように関係者全員で、やれることをしっかりとやっていきたいと思います」

   そう話す窪田調教主任は、「完成はまだまだ先になる馬ですし、その意味でこれからどんな活躍をしてくれるのか、僕も楽しみでなりません」とも笑顔を見せる。

   次走を予定する秋華賞(G1)は、今回のクイーンS(G3)から更に1ハロン伸びた条件であり、また、初めての京都競馬場でのレースとなる。しかし、窪田調教主任の話を聞いていると、そこでも更に成長を遂げたアエロリットが、このクイーンS(G3)のように想像を上回るようなレースを見せてくれるのでは、との楽しみばかりが膨らんでくる。