重賞ウィナーレポート

2017年02月01日 川崎記念(中央交流) Jpn1

2017年02月01日 川崎競馬場 晴 良 ダ 2100m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:オールブラッシュ

プロフィール

生年月日
2012年03月07日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
255,670,000円
ウォーエンブレム(USA)
母 (母父)
ブラッシングプリンセス(USA)  by  Crafty Prospector(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
村山 明
騎手
C.ルメール

 川崎記念(Jpn1)の日、静内・北海道市場では(株)ジェイエスの主催する冬季繁殖馬セールが開催されていた。

 この日、上場馬を会場に連れてきていた石垣節雄繁殖主任は、生産馬であるオールブラッシュの動向が気になりながらも、目の前で行われているせりが無事に行われることを考えて仕事を続けた。

 「せりの後、レースの結果が気になりながら牧場へ戻る車に乗っていたときに、知人の方から『オールブラッシュがおめでとうございます!』との連絡をもらいました。その時はまさか、という気持ちでしたね」

 石垣繁殖主任が「まさか」と思うのも無理は無かった。この川崎記念(Jpn1)には、オールブラッシュを含めて6頭のJRA所属馬が出走していたが、オールブラッシュとコスモカナディアンだけが準オープンを勝っての出走。このレース、圧倒的な1番人気を集めていたサウンドトゥルーを初め、ほとんどの馬が重賞馬、もしくは重賞で好走をしていたような馬たちだった。

 「関係者の方から調子はいいと聞いていました。それでも、これほどのメンバーと競馬をするのは初めてでしたし、今のオールブラッシュが挑戦してみて、どれだけの競馬ができるのだろうかと思っていました」

 牧場に戻った石垣繁殖主任は、インターネットでレースの動画を見返す。スタート良く先手を奪ったオールブラッシュは、マイペースで馬群を引き連れていく。最後の直線を向いた時にも先頭に立っていたオールブラッシュは、そこから更に後続との差を広げていく。2着には追い込んできたサウンドトゥルーが入ったが、その上がりタイムの38秒2は2頭一緒。まさに「テン良し、中良し、しまい良し」のレースを、オールブラッシュはこの大舞台で堂々と成し遂げていた。

 「完璧なレースでした。ルメール騎手の好騎乗があってのことだとしても、ここまで強くなるのか、と驚いていました」

 父ウォーエンブレム、母ブラッシングプリンセスとの間に産まれたオールブラッシュ。芝1600mで行われたメイクデビューでは11着に敗れており、初勝利は4戦目のダート1400m。3歳の夏にはレパードS(G3)に出走するも9着に終わっている。しかし、4歳初戦となる1000万下の大津特別で3着となると、そこから掲示板を外さない安定したレースで、その年の暮れにはオープン入りを果たす。

 「一度、きっかけを掴むと好調期間が持続するところに、ウォーエンブレム産駒らしさが出ている気がします。次走も今回のような強いレースを期待しています」

 次走は名古屋大賞典(Jpn3)に出走を予定。G1ウイナーとなったオールブラッシュは、その称号に相応しい圧巻のレースを見せてくれるはずだ。