馬産地ニュース

リンゾウチャネルがホッカイドウ競馬史上5頭目の三冠馬に輝く

  • 2019年08月05日
  • 迫り来る後続を振り払い三冠達成
    迫り来る後続を振り払い三冠達成
  • リンゾウチャネルがホッカイドウ競馬史上5頭目の三冠馬に輝いた
    リンゾウチャネルがホッカイドウ競馬史上5頭目の三冠馬に輝いた
  • 笑顔弾ける口取り写真
    笑顔弾ける口取り写真
  • 三冠褒賞金獲得馬第一号となった
    三冠褒賞金獲得馬第一号となった

 8月1日、門別競馬場では3歳クラシック最終戦となる北海道新聞社杯第40回王冠賞 (H2)【サトノクラウン賞】がダ1800mで行われた。

 今年の出走馬は、牡9頭、牝1頭の10頭。

 1.1倍という断然の1番人気は北斗盃、北海優駿を勝ち、三冠達成に王手を掛けるリンゾウチャネル。2016年、3歳馬三冠褒賞金制度がスタートしてから2頭の二冠馬が誕生しているが、ここまで圧倒的な強さで勝ち進んできた同馬に大きな期待がかかっている。大きく離された2番人気は北海優駿2着馬のリンノレジェンドで8.3倍。北海優駿では3馬身の差を付けられたが、どこまで迫れるか注目したい。14.5倍の3番人気には北斗盃、北海優駿共に3着のシベリアンプラウド。デビューは3歳になってから。これからの成長力に期待するファンが人気を押し上げた。

 夜になっても温い風が吹く夏らしい気候の中、レースはスタート。飛び出したのは、人気のリンゾウチャネル。好位で競馬をしてきた同馬が初めて見せる逃げに場内がざわついた。次いでシベリアンプラウド、リンノレジェンド、ゴーマイウェイ、リコーサラトガらが楽に行かせてたまるかとばかりに後を追う。しかし向正面で後続を離し、単独でラップを刻んでいった。3コーナー、ムチを入れてシベリアンプラウドが追いつくも、直線に入ると再び差を広げられたが、残り100mで疲れが見えてきたリンゾウチャネルにシベリアンプラウド、リンノレジェンドが強襲。内で粘るリンゾウチャネルにシベリアンプラウドが並びかけたところでゴール。クビ差、リンゾウチャネルが三冠達成した。勝ち時計は1:54.5(晴・良)2着シベリアンプラウド、1馬身差の3着はリンノレジェンドという人気上位馬で決着した。

 ホッカイドウ競馬史上5頭目、9年振りとなる三冠馬の誕生。騎乗した五十嵐冬樹騎手にとっても初の三冠達成となった。「三冠に対するプレッシャーがなかったわけではないですが、自分にとっても初めての経験ですし、良い意味で楽しもうと思っていました。前二冠とはメンバーが違い、テンの早い馬がいなかったので自分のペースを守り自然と先頭へいく形に。前走の疲れも残っていて万全の状態とは言えない中、よく三冠を取ってくれたと関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と涙で声を詰まらせた。

 リンゾウチャネルは、父モンテロッソ、母ワールドレデー、その父タヤスツヨシという血統の3歳牡馬。生産は新冠町の川上牧場。

 管理する堂山厩舎は2001年のミヤマエンデバー、2010年のクラキンコに続き3頭目の三冠馬を送り出した名門厩舎。今後は古馬との戦いが待っており、ホッカイドウ競馬を代表する現役最強馬・スーパーステションとの対決が今から楽しみでならない。