馬産地ニュース

BTCが育成技術講演会

  • 2019年05月29日
  • 浦河町で開催された育成技術講演会
    浦河町で開催された育成技術講演会
  • 当日は約70人の牧場関係者が出席
    当日は約70人の牧場関係者が出席
  • 熱弁する講師のスティーブン・デュレン博士
    熱弁する講師のスティーブン・デュレン博士

 5月28日夜、公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC、大平俊明理事長)は、浦河町大通3丁目にある浦河町総合文化会館地下1階ミニシアターにおいて、育成技術講演会in浦河を開催した。

 講演会はBTC利用者振興会(谷川寿郎会長)、JRA日高育成牧場(高嶋民治場長)と共催で、公益社団法人競走馬育成協会、EBMトレーディングジャパン(株)が協力。講演会のテーマは育成馬に必要な栄養と米国のトピックス。講師には米国の馬栄養学者のスティーブン・デュレン博士を招いた。当日は夜遅くにもかかわらず、約70人の牧場関係者が出席した。

 講演会開催にあたり、主催者を代表して田村正和BTC場長は「競馬のほうはダービーが終わり興奮冷めやらぬところですが、いよいよ迫りました新馬戦に向けて、またドキドキワクワクと胸躍る季節となりました。本日は講演会に多数ご出席いただきありがとうございます。また、スティーブン・デュレン博士におかれましては、ご多用中にもかかわらず講師をお引き受けいただきまして深く感謝申し上げます。本日の講演は育成馬に必要な栄養と米国のトピックスとなっております。BTC利用者のみならず、馬産地の皆様にとって、本日の講演内容が強い馬づくりのヒントの一助になりますことを切に願っております」と挨拶。座長は日本における馬の栄養学の第一人者である松井朗JRA日高育成牧場生産育成研究室主任研究役が務めた。

 講師のスティーブン・デュレン博士は、米国アイダホ州ソーダスプリングスに生まれ、アイダホ大学で学士号、ケンタッキー大学で馬の栄養学と運動生理学における修士号(M.S.)及び博士号(Ph.D.)を取得。ケンタッキーエクワインリサーチ社の馬栄養コンサルタントの職に就き、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダといった外国の飼料メーカーと仕事をし、国際経験を積んできた。現在はパフォーマンス・ホース・ニュートリションLLCという会社を起業し、世界各地の飼料メーカーや大手馬主のコンサルタントを行っている。

 「Feeding the young horse 調教を行う若い馬に特有の必要な栄養」を演題に講演したスティーブ博士は、育成馬の栄養について基本的なこと、日々の飼養管理の中で起こるトラブルへの対応、米国でのリーキーガットについてのトピックスなどをレクチャー。「リーキーガットを診断する検査方法はあるのですか?」、「リジンが必要な理由とリジンはサプリメントなどで摂取するのか?」、「怪我して休んでいる馬へのストレスを減らす給餌方法やそれに適した飼料を教えてください」など、出席者からの多くの質問に対しても分かりやすく丁寧に説明した。