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コスモバルク記念はスーパーステションが勝利

  • 2019年05月07日
  • 後続を大きく離すスーパーステション
    後続を大きく離すスーパーステション
  • 9馬身差の圧勝
    9馬身差の圧勝
  • 重賞9勝目、王者の風格
    重賞9勝目、王者の風格
  • 口取り写真
    口取り写真
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

 4月23日、門別競馬場では“平成最後の重賞レース”となる、サッポロビール杯第9回コスモバルク記念(H3)(ゴールドシップ賞)がダート1800m(外)で行われた。

 今年の出走馬は5歳から9歳までの7頭という少頭数だったが、今年の古馬路線を占う上で重要なメンバーが顔を揃えた。1.1倍、断然の1番人気に推されたのは、昨年道営重賞全勝、シーズン終了後は東京大賞典(G1)に挑戦し、6着という好成績を刻んだスーパーステション。勝負付けが済んでいる相手だけにこの人気も納得だ。7.2倍の2番人気は、道営記念でスーパーステションの3着と気を吐いた8歳馬ドラゴンエアル。以下、17年の道営記念勝ち馬ステージインパクトが14.3倍の3番人気、昨年は調子を崩してしまったが、復活が期待されるオヤコダカが21.8倍の4番人気に推された。

 今季最初の重賞を生で観戦しようと詰め掛けたファンに見守られながらレースはスタート。5番人気のサトノプリンシパルがスーパーステションを封じるように果敢に先手を奪い、スーパーステションは2番手。直後にドラゴンエアル、サラトガスピリット、スズカリバーがつづき、オヤコダカとステージインパクトは後方からの競馬となった。後続を離しながら軽快に飛ばすサトノプリンシパル。スーパーステションは単独2番手を進み、前を射程圏内に入れながらドラゴンエアルが淡々と追う。3コーナーで早くもサトノプリンシパルが捕まり、馬なりで先頭に立ったスーパーステション。各馬も進出を開始するが抜けた王者との差は広がる一方、直線で外に出し、追い込んできたのはオヤコダカ。場内にどよめきが起きる中、9馬身の差を付けてスーパーステションが重賞9勝目のゴールを駆け抜けた。勝ち時計は1分55秒7(曇・良)2着は復活の兆しを見せたオヤコダカ、3馬身差の3着はドラゴンエアルという結果だった。

 今季初戦を勝利で飾ったスーパーステション。今年も揺るがぬ王者の走りを披露した鞍上の阿部龍騎手は「前に行きそうな馬がいたのでゲートが開いてから位置を見て、あとは自分のリズムで進めました。3コーナーで気合いを付けると一段フットワークが変わったので、安心して乗れました」と振り返った。

 管理する角川秀樹調教師は「今季初戦なので不安はないけど緊張はしていましたね。先行して最後まで粘れる安定感、この馬の力を十分に発揮できたレースでした。シーズンオフは一度牧場に戻り、リフレッシュできたのも良かったかな。昨年はずっと地元重賞を使ってきましたが、東京大賞典(G1)で全国レベルの強さを持っていると再認識できましたから、今年は他場も視野に入れていきたいです」と声を弾ませた。

 スーパーステションは、父カネヒキリ、母ワイルドイマージュ、その父ワイルドラッシュという血統の5歳牡馬。新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。3歳時、三冠最後のレースとなる王冠賞を7馬身差で制すると、岩手のダービーグランプリをも優勝。4歳になると才能が開花、コスモバルク記念、赤レンガ記念、星雲賞、旭岳賞、瑞穂賞、道営記念まで6連勝で古馬長距離重賞を全制覇している。