馬産地ニュース

アロースタッドで種牡馬展示会が開催される

  • 2019年02月15日
  • この日最初に展示されたシニスターミニスター
    この日最初に展示されたシニスターミニスター
  • 新種牡馬4頭の中で、最初に展示されたのはヤマカツエース
    新種牡馬4頭の中で、最初に展示されたのはヤマカツエース
  • ネオアトラクションはモンジューの後継種牡馬
    ネオアトラクションはモンジューの後継種牡馬
  • BCジュヴェナイル(G1)の勝ち馬でもあるシャンハイボビー
    BCジュヴェナイル(G1)の勝ち馬でもあるシャンハイボビー
  • ネロはヨハネスブルグの後継種牡馬
    ネロはヨハネスブルグの後継種牡馬
  • ネロの展示では西山オーナーからもエールが送られた
    ネロの展示では西山オーナーからもエールが送られた
  • ガンコなどの活躍で、種牡馬復帰を果たしたナカヤマフェスタ
    ガンコなどの活躍で、種牡馬復帰を果たしたナカヤマフェスタ
  • 多くの生産関係者が足を運んでいた
    多くの生産関係者が足を運んでいた

 2月14日、新ひだか町の二十間道路沿いにある、3つのスタリオン(JBBA静内種馬場、アロースタッド、レックススタッド)が立て続けに種牡馬展示会を開催。午前9時からのJBBA静内種馬場に続き、午前10時からはアロースタッドで種牡馬展示会が開催された。

 この日は31頭の繋養種牡馬が展示。しかしながら、司会進行を務めた(株)ジェイエススタッフが、タイムキープをしながら、分かりやすい内容の説明を行っただけでなく、普段からのしつけの良さがうかがえた種牡馬たちも、パレードリンクの中で落ち着いた様子でポーズを決めていった。時間的には1時間15分ほどの展示となったが、それほど長く感じなかったのは、こうした進行と段取りの良さがあってのことだろう。

 この日、最初に姿を見せたのはシニスターミニスター。昨年は164頭の繁殖牝馬に配合を行っただけでなく、ダート重賞戦線で続々と産駒が活躍を続けているその産駒成績も含めて、まさにアロースタッドのエース種牡馬。その貫禄を見せつけるような周回の後、今年、初年度産駒がデビューを果たす5頭の種牡馬に続いて姿を見せたのが、4頭の新種牡馬だった(ダンスディレクターは体調不良で展示会には登場せず)。

 その先陣を切って登場したのは金鯱賞(G2)連覇など、芝の中距離重賞を沸かせてきたヤマカツエース。まだ若々しさが残る馬体がパレードリンクに姿を見せた時には、現役時に管理を行っていた池添兼雄調教師が挨拶に立った。

 「ヤマカツエースがこうして皆さんの前に種牡馬として姿を見せているだけで無く、管理調教師としてご挨拶させていただけていることを光栄に思います。最初、厩舎に来たときには、その立派な馬体を見てダート向きかと思いましたが、乗り始めると厩舎スタッフもいい感触があると伝えてくれました。2歳戦から活躍を見せましたが、決して早熟という印象は無かったです。丈夫な馬で、調教も順調に進められましたが、3歳の春から馬が変わっていき、それは馬体重の増加としても現れただけでなく、精神面での成長も見られるようになりました。この成長力と丈夫さは、子供たちも継承してくれると思っています」と長く馬を見てきたからこその視点で種牡馬としての長所を語った。

 その後にはMontjeuの後継種牡馬となるネオアトラクション。母のAttractionは現役時に英1000ギニー(G1)、愛1000ギニー(G1)、コロネーションS(G1)、サンチャリオットS(G1)、メイトロンS(G1)を制して、カルティエ賞の最優秀2歳牝馬にも選出された名馬。まさに欧州を代表する良血馬でもある。

 一方、シャンハイボビーは父にHarlan's Holidayを持ち、現役時はシャンペンS(G1)、BCジュヴェナイル(G1)に勝利するなど、2歳時は5戦5勝という完璧な成績を残した。すでにアメリカとブラジルで種牡馬生活を送っており、アメリカではフレッシュサイアーランキングの4位、ブラジルでは多くのステークスウイナーを輩出している。

 芝、ダートを問わず、スプリント重賞路線を沸かせてきたネロの展示に際しては、現役時のオーナーである西山茂行氏がマイクを持った。

 「この馬はニシノフラワーの母となるデュプリシトの牝系としては、唯一の種牡馬となります。坂路では毎回レコードで駆け抜けていくほどの高いスピード能力を持っていました。ヨハネスブルグ産駒ということで、短距離戦の活躍も期待できますが、母系は長距離適性もあるので、産駒は距離の幅も出てくると思います。また2歳のデビューから一度も故障も無く現役生活を終えることができました。こうした丈夫さも産駒に伝わると思っています」とセールスポイントを述べていた。

 この4頭の新種牡馬の後には、ガンコやヴォージュの芝長距離戦における活躍もあって、種牡馬復帰を果たしたナカヤマフェスタが展示された。

 今後のアロースタッドの屋台骨となりそうなディーマジェスティ、ワンアンドオンリー、トーホウジャッカルといったクラシックホースに続いては、芝短距離戦のG1ホースであるビッグアーサーにグランプリボスが姿を見せるなど、バラエティ感溢れる種牡馬が次々と姿を見せていく。

 展示会の最後には、アロースタッド種牡馬展示会の恒例イベントとなった抽選会が実施。新種牡馬のヤマカツエースをモチーフとした帽子や、ネロ、ラニ、レッドスパーダ、ワンアンドオンリーの種付権利の当選者が事務局のスタッフから読み上げられる度に、歓声が沸き起こっていた。