馬産地ニュース

義経神社で初午祭

  • 2019年02月05日
  • 義経神社の初午祭
    義経神社の初午祭
  • 行事者を務める田中淳司調教師
    行事者を務める田中淳司調教師
  • 最後は餅まきで福が振る舞われた
    最後は餅まきで福が振る舞われた

 2月2日、平取町本町にある義経神社(楡田美浩宮司)において、悪疫退散、開運招福、所願成就を祈る初午祭が行われた。

 初午祭は昭和48年ころより斎行されている伝統行事で今年で46年目。御祭神の義経公が騎馬武者であり馬を大事にし、またこの地方が馬産地であり、さらに初午の日に祈願すれば願いがかなうとされることから始まったという。

 当日は日高や胆振から牧場関係者が参列。御神馬上に御分霊の弊を祀り参列者とともに参進し、御社殿内に弊を奉安、祈願者も入場し祭儀を行い、愛馬息災、戦勝必勝、所願成就の祝詞を奏上、玉串奉奠礼を行い、ご神前に拝礼した。

 今年の邪気を払う「矢刺しの神事」の行事者は、昨年10月に通算1000勝を達成し、シーズン最多勝記録を更新する142勝をあげ、4年連続でリーディングトレーナーに輝いたホッカイドウ競馬の田中淳司調教師。直垂姿になった田中師は、今年の歳破の方(平成31年の凶方は巳の方・南南東)へ向け、破魔矢を三射し悪鬼退散を祈願した。

 放たれた矢を拾った人には幸運が訪れるといわれていることから、参列者は矢の落下地点で待ちかまえ、矢を取ろうと懸命に手を伸ばした。

 最初の矢を拾った浦河町にある宮内牧場の宮内慶さんは「今回、浦河から初めて参加して矢を取ることができました。自分も生産牧場をやってまして、生産馬が母子ともに生れるのと、生産馬がよりひとつでも多く勝てるよう、実りある一年したいと願っています。良かったです」。二番矢を手にしたホッカイドウ競馬田中淳司厩舎所属の厩務員、畑中唯志さんは「田中先生の矢がまっすぐ僕のところに飛んできたので取れました。去年も良い成績を収められたんですけど、今年も去年以上に良い成績をあげられたら」。最後の矢を手にしたむかわ町にあるSTウィンファームの後藤慎也さんとそのスタッフは「去年に続き2年連続で矢を取れました。去年は震災があり牧場も大変でしたが、矢のおかげで牧場の馬がたくさん勝つことができました。今年は牧場に新しい施設もできました。去年以上に良い年であることを願っています」と話した。

 行事者を務めた田中師は「初午祭には毎年、厩舎スタッフとともに参加していて、一度、行事者をやってみたいと思ってたので夢がかないました。練習では矢が飛ばなかったりしましたが、本番では遠くに飛ばせました。とても気持ちが良かったです」と笑顔だった。 

 最後は社殿から餅まきが行われ、参列者にも福が振る舞われた。