馬産地ニュース

ホースメッセでトークショーが開催される

  • 2019年01月22日
  • 社台SS繋養種牡馬の管理や性格などについて、互いの認識を述べ合った
    社台SS繋養種牡馬の管理や性格などについて、互いの認識を述べ合った
  • 今年、初めてホースメッセにブースを出展した社台SS
    今年、初めてホースメッセにブースを出展した社台SS
  • トークショーの後には、聴講者からの質問コーナーも設けられた
    トークショーの後には、聴講者からの質問コーナーも設けられた

 20日、第3回ホースメッセが開催されている、赤レンガ倉庫1号館のマルチスペースで、「日本競馬を代表する種牡馬たちの裏側にせまる」という題目のトークショーが開催された。

 このトークショーではホースクリニシャンで、カウボーイアップランチの代表でもある宮田朋典氏と、社台スタリオンステーションの筒井裕司主任が登場。ディープインパクトやキタサンブラックといった繋養種牡馬の普段の様子や性格、その個性を踏まえた上で行われている、現在の管理について語った。

 司会を務めた社台スタリオンステーションの事務局の三輪圭祐さんが、二人の紹介をした後に、まずはディープインパクトの普段の様子について、筒井さんからは現場で実際に接している立場から、宮田さんは初めてスタリオンで接した時の印象を話していった。

 現在、社台スタリオンステーション繋養種牡馬のしつけを行っている宮田さんは、ディープインパクトに接した時のエピソードとして、「ちょっとの指示で弾けるように動き出す馬。指先の感覚で操らないと、と思った程でした」と話すと、筒井主任も、「他の種馬は種付けに向かう際、スイッチが入ったように力強い歩様を見せるが、ディープインパクトはパドックで放牧されているように自然かつ、まるで足音を立てないかのように種付場へと歩いて行く」とディープインパクトの肉体面と精神面が、従来の種馬とは違っている例をあげていった。

 また、キタサンブラックについて筒井主任は入厩時のエピソードとして、「到着した時から種馬に近い自己主張を持っていたものの、先に厩舎にいた先輩種牡馬の前で萎縮するような様子も見せていた」とスタリオンならではと言える、種牡馬同士の意外な関係を話した。

 また、宮田さんは普段の扱いで問題行動を起こしていた種牡馬に対して、人に対しての挨拶を行わせることで、それが改善されていったという話や、スタリオン内で「宮田式」とも言われる種付けのプロセス、そして、種付け前の繁殖牝馬が準備を行う部屋の通路だけでなく、室内の色も変えたというエピソードについても語っていった。

 トークショーの最後に宮田氏は、「馬作りを行うためには、まずは人作りが重要。日本人の繊細な感覚は馬作りに向いているはず」と話せば、筒井主任も、「ゆくゆくはスタリオンで女性のハンドラーも育てていきたいです」との今後のプランも述べていた。トークショーの後には聴講者からの質問コーナーも設けられたが、会場は立ち見も出るほどの大盛況であり、最後に挨拶をした二人には大きな拍手も送られていた。

 また、社台スタリオンステーションでは今回のホースメッセで、初めてブースを出展。ブースに訪れた人に対して、スタリオンや種牡馬の説明や、見学などに関するアンケートも行った。アンケートの参加者にはクリアファイルがプレゼントされただけでなく、抽選でスタリオングッズも後日発送される。