馬産地ニュース

競走馬育成協会が育成技術講習会

  • 2018年11月22日
  • 200人以上が参加した実馬を用いた育成技術講習会
    200人以上が参加した実馬を用いた育成技術講習会
  • 挨拶する中西信吾場長と飯田正剛北海道支部長、解説の北原広之氏、講師の戸本一真氏
    挨拶する中西信吾場長と飯田正剛北海道支部長、解説の北原広之氏、講師の戸本一真氏
  • 実馬に騎乗する戸本一真氏
    実馬に騎乗する戸本一真氏

 11月21日夜、公益社団法人競走馬育成協会は、新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場研修所覆馬場において、育成技術講習会in北海道「馬をコントロールするための騎乗者の役割~実馬を用いた講習会~」を開催した。

 講習会は今年で7年目。JRA日本中央競馬会と公益財団法人軽種馬育成調教センターが共催し、JBBAが協力した。講師はJRA馬事公苑普及課の戸本一真氏が、解説はJRA馬事公苑の北原広之調査役が務めた。

 当日は夜遅くにもかかわらず、日高や胆振から200人を超える牧場関係者、乗馬愛好家らが出席。会場を提供した静内種馬場の中西信吾場長は「例年秋に静内地区で開催されている、公益社団法人競走馬育成協会主催の育成技術講習会を、今回は座学ではなく、初めて実馬を用いた講習会を企画したいとお聞きして、JBBAの施設、研修馬で良ければぜひお使いくださいということで、本日の会場が決まりました。今日は2020年のオリンピック出場を目指すお二人の一時帰国にあわせて静内の講習会が実現しました。戸本様と北原様が来られるということで大変良かった、皆様に喜んでいただけるのではないかと期待しています。こういう機会は北海道ではなかなか見る機会はございません。今日はみなさん一日、良い勉強をしていただければと思います」とあいさつした。

 講師の戸本氏は障害馬術のトップライダー。明治大学馬術部で活躍しJRAに入会。2015年に総合馬術に転向し、現在はイギリスで技術を研鑽中という。本年9月にアメリカノースカロライナ州のトライオンで開催された世界選手権では、五輪実施種目の総合馬術で、メダルまであとわずかに迫る日本の団体4位に大きく貢献した。解説を務めた北原調査役も明治大学の馬術部で活躍。全日本馬場馬術選手権3連覇の実績を持つ第一人者として知られる。これまでも静内や美浦・栗東両トレーニングセンターなどでの講演は、実践的でわかりやすいと高い評価を得ている。現在はドイツで研修中という。

 講習会では戸本氏がJBBA研修馬に騎乗して、騎乗者の悪い例と良い例、競走馬に求められるハミ受け、頭を上げてハミを受けない馬などを実演。北原調査役は馬術的なハミ受けと若い競走馬に求められるハミ受けの違いなどを説明した。

 実演後は出席者から数多くの質問が寄せられ、北原調査役と戸本氏は時間ぎりぎりまでわかりやすく応答した。

 競走馬育成協会の荻野豊北海道副支部長は「長時間にわたる講演に熱心に耳を傾け、少しでも知識を習得されようとする出席者の姿にうれしい気持ちになりました。今回のテーマは馬に乗って仕事をしない方々にも参考になったと思います」と話した。