馬産地ニュース

JRAが強い馬づくりのための生産育成技術講座開催

  • 2018年11月22日
  • 200人以上の牧場関係者が出席した
    200人以上の牧場関係者が出席した
  • 主催者を代表してあいさつする平賀敦JRA日高育成牧場長
    主催者を代表してあいさつする平賀敦JRA日高育成牧場長
  • 講師を務めたNOSAIみなみ家畜高度医療センターの宮越大輔氏
    講師を務めたNOSAIみなみ家畜高度医療センターの宮越大輔氏

 11月20日夜、JRA日高育成牧場(平賀敦場長)は、日高町富川東にある門別総合町民センター2階大集会室において、強い馬づくりのための生産育成技術講座2018を開催した。

 この講習会は日高軽種馬生産振興会青年部連合会との共催で、日高軽種馬農業協同組合が後援。競走馬の生産育成に携わる関係者への情報提供と技術普及を目的に、毎年秋に開かれている。この日は夜遅くにもかかわらず、胆振や日高から仕事を終えた生産育成牧場関係者が200名以上出席した。19日には浦河町の浦河総合文化会館でも行われた。

 講習会の開会にあたり、主催者を代表して平賀敦場長は「毎度毎度、たくさんの方にお集まりいただきありがとうございます。強い馬づくりのために勉強することは大事ですが、勉強したからと言って急にわかるわけではありません。また、一人だけで勉強するのは難しいことがあります。こういった機会を利用していただいて、自分のスキルアップに活用してほしいと思います。今日は2つのテーマについて講演します。資料もありますが、講師がしゃべっている言葉をよく聞いて、メモを取って理解を深めてください。こういう大きな会場で質問するのは恥ずかしいとは思いますが、ぜひ勇気をもってたくさん質問してください。短い時間ではありますけれども、有意義な講習会になることを祈念いたします」とあいさつした。

 講習会ではNOSAIみなみ家畜高度医療センターの宮越大輔氏が「交配から妊娠早期における繁殖管理」をテーマに、JRA日高育成牧場業務課診療防疫係長の遠藤祥郎氏が「疾患のある繁殖牝馬の飼養管理」をテーマに講演した。

 宮越氏は前職の日高軽種馬農業協同組合勤務時代に12年間現場を回り、繁殖の仕事に従事。その間のデータをまとめた論文を発表し、今年3月には博士号を取得している。講演の中で宮越氏は、北海道日高管内におけるサラブレッド種繁殖牝馬のPregnancy Lossの実態調査を紹介した。

 遠藤氏は2005年にJRAに入会。美浦トレセンで競走馬の診療に従事した後、日高育成牧場、宮崎育成牧場での勤務を経て、海外生産育成調教実践研修のため、約2年間、米国へ派遣された。米国ではダービーダンファーム、ウィンスターファーム、オカラスタッドなどで実際にスタッフの一員として研修し、サラブレッドが生まれてから出走するまでのすべてのステージを経験して帰国した。遠藤氏は講演の中で、JRA日高育成牧場での基本的な繁殖牝馬の飼養管理を紹介し、その際に起きた疾患の症例や治療、経過などを説明した。