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日高女性軽種馬ネットワークが10周年記念トークショー

  • 2018年11月15日
  • 日高女性軽種馬ネットワークの10周年記念トークショー
    日高女性軽種馬ネットワークの10周年記念トークショー
  • 講師として招かれた根本康広調教師と藤田菜七子騎手
    講師として招かれた根本康広調教師と藤田菜七子騎手
  • トークショー後に行われたプレゼント抽選会
    トークショー後に行われたプレゼント抽選会

 11月13日、日高女性軽種馬ネットワーク「馬女ネット」(酒井百合子会長)は、JRAの根本康広調教師と藤田菜七子騎手を講師に招いて、新冠町本町にある新冠町レ・コード館シアターにおいて、「輝け!馬女たち」と題した10周年記念トークショーを開催した。

 日高女性軽種馬ネットワークは、平成20年に北海道によるパートナーシップで作る農村活動支援事業を活用して、軽種馬女性農業者の学習の場としての組織活動を開始。設立以来、経営研修会、生産技術研修会、視察研修会を定期的に開催するほか、ホッカイドウ競馬への支援活動、日高の軽種馬のイメージアップ活動、軽種馬産業の振興、女性の役割発揮、地位向上を目指す取り組みを継続的に行い、平成23年には女性・高齢者チャレンジ活動表彰事業奨励賞を受賞している。

 トークショーは公益社団法人日本軽種馬協会が共催。10周年の足跡を振り返ることを記念して企画した。会場にはネットワーク会員や女性の牧場関係者、JRA日高育成牧場の平賀敦場長、日高農業改良普及センターの松井克行所長など約70人が集まった。

 開催にあたり主催者を代表して酒井百合子会長は馬女ネットの設立経緯やこれまでの取り組みを紹介し、「今日ここに根本康広調教師、藤田菜七子騎手をお迎えして、馬女ネット10周年記念トークショーを開催できることを、非常にうれしく思います。会場の皆さんが今日、ここに来てよかったと思える時間にしたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします」とあいさつした。

 根本調教師は1977年に騎手デビュー。1985年にギャロップダイナで天皇賞(秋)(G1)、1987年にメリーナイスで日本ダービー(G1)に勝利など重賞14勝。障害でも活躍し1979年にはバローネターフで中山大障害を春秋連覇するなど、JRA通算2633戦235勝を記録した。1997年に騎手を引退し調教師に転身。1998年に開業し、現在は丸山元気騎手、野中悠太郎騎手、藤田菜七子騎手が所属している。

 藤田騎手はJRAでは16年ぶり7人目の女性騎手として2016年にデビュー。2017年にはJRA年間17勝をあげ、女性騎手年間JRA最多勝記録を更新した。

 トークショーでは藤田騎手が、会員から事前に寄せられた質問に○×で回答。答えに窮すると根本調教師がフォローし師弟愛を見せた。

 出席者からの「先輩の野中騎手のように長期間、海外に勉強に行きたいですか?」や「競馬学校の厩務員過程を志望してるのですが、菜七子さんは競馬学校の試験を受けるときはどんな感じで臨んだのですか?」という質問にも丁寧に答えた。

 最後に根本調教師は「現場で競走馬を預からせていただき一生懸命やってるんですけど、勝つのはなかなか難しいです。それでもレースに向けてひとつひとつ積み重ねていきますので、出走するときは心を一つにして応援してほしいです」。藤田騎手は「普段からイベントなどで話す機会は多いのですが、女性の方を対象に話すのは初めてで新鮮でした。皆さまからのお話を聞くことができて、とても楽しく私自身も勉強になりました。みなさまの大事な生産馬にはたくさんの方々が携わって最後にバトンを渡されるのが騎手。これからもひとつひとつ全力で騎乗していきますので応援よろしくお願いします」と話すと、会場から大きな拍手が沸き起こった。

 トークショーの後には出席者を対象にしたプレゼント抽選会が行われ、藤田騎手のサインが入った雑誌優駿10月号、ゴーグル、メモ帳、食器などが贈られた。