馬産地ニュース

北海道日高装蹄師会が30周年記念式典

  • 2018年11月15日
  • 約70人が出席した30周年記念式典
    約70人が出席した30周年記念式典
  • 挨拶する北海道日高装蹄師会の武田英二会長
    挨拶する北海道日高装蹄師会の武田英二会長
  • パネルディスカッション
    パネルディスカッション

 11月13日夜、北海道日高装蹄師会(武田英二会長)は、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、30周年記念式典を開催した。

 北海道日高装蹄師会は平成元年にJRA日高育成牧場田中義郎場長(当時)の発案で20名の会員数で設立。現在は80名を超える会員がおり、全国にある装蹄師会の中では最大組織になっている。

 武田会長は「ジャパンカップ(G1)が始まったころ、JRAが強い馬づくりというスローガンを掲げて、生産界に求められるものが変わり始めました。平成3年のオープン向けて、BTC軽種馬育成調教センターの建設が進み、既存の育成牧場、ならびに生産牧場の考え方も変わりだしたなかで、装蹄師に対しても同じようなことが求められるようになりました。装蹄師会の設立から今日に至るまで、ご指導、ご協力をいただいたJRA日本中央競馬会、BTC軽種馬育成調教センター、JBBA日本軽種馬協会、HBA日高軽種馬農業協同組合、関係各位様、喜びや苦労を共にしてきた会員の皆様方、なんとか30年にたどりつけました。心より感謝申し上げます。
 本会の柱として、技術、学問の習得、会員の交流があります。学問の習得においては、国内、海外から各分野の専門家に講習やご指導をいただき、我々の知識も深まり、多くの疑問を解決することができ、日常の業務に大変役立っています。そして、生産者、獣医師、装蹄師が、同じ目線で対応できるよう、平成22年1月より、リムアンドフットケアがJBBAにより行われるようになり、三者の共通認識が深まっているように感じます。技術の習得においては、BTCに装蹄所を設けていただき、平成7年から装蹄競技大会が行われるようになり、本年は7名の選手を全国大会に派遣することができました。これまでに2名が全国優勝に輝き、ゆっくりではありますが、成果が表れてきているものと感じます。交流においては、平成6年より中央競馬装蹄師会との交流会がJRA札幌開催時に毎年行われ、双方の知見や情報交換に非常に役立っています。また、中央競馬装蹄師会や南関東装蹄師会との協賛関係を築いて、おたがい切磋琢磨できるようにもなりました。本日30周年記念ということで、ささやかではございますが、感謝の意を込めて宴席を設けました。今以上に本会を発展させてまいりますので、来賓の皆様をはじめとする関係各位様、会員の皆様にご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」と挨拶。

 来賓からはJRA日高育成牧場の平賀敦場長が「私がJRAに入会して初めて日高育成牧場にきたのが1988年でした。その当時の場長が会の設立を発案した田中さんで、とてもパワフルな方でした。そして、10年後の1998年に再び日高育成牧場に赴任した時は、BTCをはじめとした育成場ができ、生産地に競走馬の休養がくるようになり、そのころから若馬の装蹄、競走馬の蹄鉄が広がっていき、皆様の仕事の中で、取り扱う馬が増えてきた時代だったと思います。それからまた10年後くらいに日高に赴任した時に、皆様の装蹄技術がとてもレベルアップしてると感じました。獣医さんは病気になったときに対応しますが、装蹄師の方々は病気にならないように、きちんとデビューしてちゃんと帰ってくるまで、すべてを面倒見なければならない大変な仕事。本当に縁の下の力持ちというか脚もとを支える人たちです。これかもさらに技術の研鑽はもちろん、新たな装蹄理論や治療法を学び続けて、さらに発展していってほしい」と祝辞を送った。

 式典では、ノーザンファーム空港牧場の菅谷清史場長、愛知ステーブルの近藤秀典代表取締役、スプリングファームの佐々木拓也代表、レイクヴィラファームの岩崎義久マネージャー、前谷牧場の前谷卓也氏、北海道日高装蹄師会会員の設楽巧喜装蹄師をパネリストに迎えて「装蹄師に望むもの」と題したパネルディスカッションを開催。最後はJBBA静内種馬場の中西信吾場長が、北海道日高装蹄師会のさらなる発展を祈り、30周年の節目を祝った。