馬産地ニュース

苫小牧で胆振地区生産育成技術講座2018

  • 2018年10月19日
  • 講師を務めたJRA馬事公苑普及課の工藤将孝氏
    講師を務めたJRA馬事公苑普及課の工藤将孝氏
  • 人を馬に例えての実演
    人を馬に例えての実演
  • 主催者を代表してあいさつする吉田正志青年部長
    主催者を代表してあいさつする吉田正志青年部長
  • 胆振地区生産育成技術講座2018には200人以上が出席した
    胆振地区生産育成技術講座2018には200人以上が出席した

 10月18日夜、胆振軽種馬農業協同組合(田中芳郎代表理事組合長)と同青年部(吉田正志部長)は、「胆振地区生産育成技術講座2018」と題した講習会を、苫小牧市表町にあるグランドホテルニュー王子3Fグランドホール北で開催した。

 この講習会は組合と青年部が年に一度、共催で開催。2010年より始まり今年で9回目を迎える。毎年、軽種馬の生産や育成に関する様々なテーマについてエキスパートを講師に迎え講演を行っているが、今年はJRA馬事公苑普及課の工藤将孝氏を講師に招き、「馬との親和性」を取り上げた。

 当日は組合員や青年部員のほか、胆振や日高の軽種馬生産育成牧場で従事するスタッフや牧場関係者が200人以上出席。主催者を代表して青年部の吉田部長は「本日は多数のご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。また、講師を務めていただきます工藤様におかれましては、ご多用のなか、東京よりお越しくださいましたことに心から感謝申し上げます。今回、工藤様からお話していただく、馬との親和性といった内容のものは初めてのことと思います。これは、皆さんが、普段お仕事されている現場、それぞれが置かれてる立場、というものを越えて、馬に接するひとりの人として、きちんと理解しなければならない基本的な共通テーマと思っています。自分は馬とコミュニケーションがしっかりとれているか、良好な関係を築けているか、といったことを、今日は見つめ直す良い機会になると思います」とあいさつした。

 講師の工藤氏は1978年生れの京都府出身。京都上賀茂神社の「競馬会神事(くらべうまえしんじ)」や京都三大祭りの「葵祭(あおいまつり)」にて馬に乗る家系で育ち、小学3年から和鞍(わぐら)で乗馬を始め、1997年にJRAに入会。日高育成牧場、馬事公苑で演技調教の担当を経て、2003年からフランスをはじめドイツ、オーストリアなどで世界最高峰の演技調教技術を習得した。帰国後の2009年には馬事公苑にて、天皇皇后両陛下の前で天覧演技を披露。2013年からは日高育成牧場に勤務しJRA育成馬の調教に携わった。2017年春より再び馬事公苑に勤務し、これまでの演技調教技術を活かして、引退競走馬のリトレーニング業務を担当。馬具を付けずに馬とのコミュニケーションをとって、人馬一体となった華麗な演技を披露する「フリーダムホースショー」の日本の第一人者として知られている。

 「馬とのAffinity(親和性)~馬のマインドに働きかける~」を演題にした講演で工藤氏は、馬の本能・心理について、調教の本質とその方向性、コマンドの理解、グランドワークによる馬との対話などについて、スライドや動画、人を馬に見立てての実演で、わかりやすく解説。最後は工藤氏が今まで全国各地で行ってきた講演会で一度も明かしたことのないという、豆知識や自身が日頃から気をつけていることなども公にした。