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道営重賞・リリーCはアークヴィグラスが重賞2連勝を飾る

  • 2018年09月04日
  • ゲッテルフンケンとアークヴィグラスの一騎打ち
    ゲッテルフンケンとアークヴィグラスの一騎打ち
  • アークヴィグラスが重賞2連勝を飾った
    アークヴィグラスが重賞2連勝を飾った
  • 小柄な馬体に底知れないパワーを秘めている
    小柄な馬体に底知れないパワーを秘めている
  • 賑やかな口取り写真
    賑やかな口取り写真
  • 小野調教師にとっても悲願のリリーC制覇となった
    小野調教師にとっても悲願のリリーC制覇となった

 8月30日、門別競馬場では2歳牝馬による重賞、HTB杯第15回リリーC(H3)【ラブリーデイ賞】がダート1200mで争われた。

 今年は7頭の少頭数になったが、どの馬が勝ってもおかしくない混沌ムード。1番人気は、ストロングリターン産駒のゲッテルフンケン。3戦1勝馬ながら、勝ったレースが1000m1分を切る好時計で9馬身差の圧勝。そのスピード能力の高さから単勝2.5倍の支持を集めた。2番人気はディープブリランテ産駒のパレスラブリーで3.7倍。前走フルールCは2馬身差の2着、ここでリベンジを果たしたいところ。3番人気は、デビュー戦で逃げて大差勝ち。ここが2戦目となるスマートボーイ産駒のグレイアンジェラで4.1倍。フルールC勝ち馬のアークヴィグラスは4.3倍の4番人気と、2歳牝馬の勢力図を大きく動かす1戦となりそうだ。

 バラついたスタートから飛び出したのは人気のゲッテルフンケン。直後にビービーガナール、最内アークヴィグラスがつづき、少し間を空けてパレスラブリー、グレイアンジェラも先団を見据える位置取りで、淡々とレースが流れていく。4コーナーを回りゲッテルフンケンが抜け出しを図るが、内で息を潜めていたアークヴィグラスの末脚が爆発。2頭の叩き合いを制したのは、フルールCに続き重賞連勝を果たしたアークヴィグラスだった。勝ち時計は1:13:5(雨・稍重)1/2馬身差の2着にゲッテルフンケン、3馬身差の3着はパレスラブリーという結果だった。

 中1週での重賞連勝へ導いた石川倭騎手は「レース前はプレッシャーもありましたが、いつもと変わらず好状態を保っているようでしたし、これなら大丈夫だろうと安心して乗っていました。最後の直線は内に馬一頭分の進路しかなく、2歳の牝馬にはちょっとキツイ展開でしたが、怯むことなく突っ込んで行ったので凄い勝負根性の持ち主ですよ。もっと大きいところを狙って行きたいですね」とパートナーを讃えた。

 管理する小野望調教師は、昨年の同レースをグラヴィオーラで2着、一昨年はシェアハッピーでアタマ差2着と惜敗がつづき、なんとしても勝ちたいレースだった。「やっと勝利に手が届いて、素直に嬉しいです。繊細な馬ですし、この中間はストレスをかけないように注意して調整を進めてきました。今後は馬の状態を見ながら、エーデルワイス賞に直行するか、1戦挟むか考えます」と振り返った。

 アークヴィグラスは父サウスヴィグラス、母キセキノショウリ、母の父フジキセキという血統の2歳牝馬。生産は新冠町の村上牧場。血統を遡ると、ダイナフェアリーに辿り着く活躍馬を量産しているファミリーの出身。フルールC、リリーCの連勝は、2015年のモダンウーマン以来2頭目となる。