馬産地ニュース

北海道静内農業高等学校が生産馬をサマーセールで売却

  • 2018年08月23日
  • サマーセールで売却された叶愛
    サマーセールで売却された叶愛
  • 270万円(税込291万6,000円)で落札された瞬間
    270万円(税込291万6,000円)で落札された瞬間
  • 固唾を飲んで叶愛を見守る生徒たち
    固唾を飲んで叶愛を見守る生徒たち

 8月21日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(大関俊郎校長)は、新ひだか町静内神森にある北海道市場において開催された北海道サマーセール第一日目に生産馬を上場し、291万6,000円(税込)で売却した。

 北海道静内農業高等学校は、日本で唯一、軽種馬の生産育成を行ってい公立高校。過去の生産馬にはJRAで3勝をあげたユメロマン(牡、父ジェネラス)、駒ケ岳特別などJRA2勝をあげたゴーゴーヒュウガ(牡、父スズカマンボ)、2002年の益田優駿に優勝したアラブのサントゥールワン(牝、父トライバルセンプー)などがいる。

 今年は昨年4月21日に生まれた1歳牝馬の血統名・叶愛(かなめ)を上場。父はJBBA日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されるエスケンデレヤで、母はゴートゥザノース(父アグネスタキオン)という血統。母が出産した最後の産駒で、「みんなの愛で願いが叶ってほしい」と生徒が命名したという。

 せりでは3年生の沖田知也さんが引き馬を担当し、「よろしくお願いします」と元気よく一礼。150万円からスタートすると複数の購買者から声がかかり、最終的に270万円(税込291万6,000円)で兵庫県馬主協会が落札した。

 せり会場から出てきた叶愛は生徒や購買者と記念撮影。沖田さんは「水が嫌いな馬で今日の雨が心配でしたがしっかりと歩いてくれました。売れて本当に良かった。元気に育ってほしい」と感極まった。

 種付けから直腸検査、出産後のケアなど、折に触れて叶愛や生徒とかかわってきた遊佐繁基静内種馬場種馬課長は「生まれたときからエスケンデレヤに良く似ていて、今まで見てきた兄や姉とは全く違ったタイプでした。売れて本当に良かった。自分のことのようにうれしいです」。生徒の頑張りを影から見守っていた中西信吾静内種馬場場長も「生徒たちが毎日、雨の日も風の日も、引き運動を地道に続けてきたのを知っていたので、報われて良かった。エスケンデレヤの代表産駒になるような活躍を期待したいです」と祝福した。