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ブリーダーズGJrCはイグナシオドーロが重賞初制覇

  • 2018年08月02日
  • 2歳最初の長距離重賞ブリーダーズゴールドジュニアC
    2歳最初の長距離重賞ブリーダーズゴールドジュニアC
  • 素質馬イグナシオドーロが戴冠した
    素質馬イグナシオドーロが戴冠した
  • 阿部騎手も思わずピースしてしまう快勝
    阿部騎手も思わずピースしてしまう快勝
  • 笑顔溢れる口取り写真
    笑顔溢れる口取り写真
  • ゲストの稲富菜穂さん、天童なこさんも加わり華やかな表彰式となった
    ゲストの稲富菜穂さん、天童なこさんも加わり華やかな表彰式となった

 7月31日、門別競馬場では2歳馬によるH1重賞、netkeiba.com杯第12回ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H1)【ヘニーヒューズ賞】がダ1700mで行われた。

 栄冠賞(H2)に続きふたつめの2歳重賞。栄冠賞続戦組が7頭、認定競走を勝ち上がったばかりの3頭というキャリア1~3戦のフレッシュな10頭が顔を揃えた。

 2.7倍の1番人気に推されたのは、栄冠賞(H2)を制し、2戦2勝のプリサイスエンド産駒、イッキトウセン。2番人気は、同距離ダ1700mのフレッシュチャレンジ競走を勝ち上がったばかりだが、その勝ちっぷりが評判を呼んだアドマイヤオーラ産駒のサクセッサーで3.1倍。デビュー戦を快勝、ウィナーズチャレンジ競走2着、栄冠賞は3着と安定した成績を誇るサウスヴィグラス産駒、ステッペンウルフが5.7倍の3番人気となった。

 サクセッサーとホワイトヘッド以外の全頭が初距離となるダ1700mの長丁場。もちろん、ナイター競馬の経験がない馬もいる。それでもゲート入りはスムーズに進み、揃ったスタートを見せた。内からマイティウォーリアが先頭に立ち、その外を併走するイグナシオドーロ、直後にダイキンボシ、ステッペンウルフ、ジョーパイロライト、エアースピーダー、サクセッサーが横一線でつづいた。先頭を行く2頭は早いペースでレースを引っ張る。4コーナーを回り、直線を向くとイグナシオドーロが抜け出し、人気のイッキトウセンが追込みを図るも届かず、8番人気のイグナシオドーロが重賞初勝利を飾った。勝ち時計は1:52:7(晴・良)1/2馬身差の2着にイッキトウセン、2馬身差の3着はパイロ産駒のジョーパイロライト(7番人気)が入線、波乱を演出した。

 イグナシオドーロは新種牡馬ヴィットリオドーロ産駒。今年最初に行われた能検で一番時計を記録した素質馬だった。騎乗した阿部龍騎手はスーパーステションで重賞3連勝中。これで重賞4勝目となり、今季絶好調だ。「ここ最近気性に落ち着きが出て、今日は集中して走れていました。テンのスピードはあるし、無理なく前の方で競馬が出来ればと思っていましたから、いい位置が取れて良かった。抜け出してからフワフワしたけど、後ろから馬が迫ってきたら気合が入り、最後は勝負根性を見せてくれましたね。とにかく気の強い馬で、精神的に大人になればもっと強くなれると思います」と今後の成長に期待を膨らませていた。

 管理する角川秀樹調教師は「前走、栄冠賞では揉まれて結果を出せなかったので、その辺は注意してとジョッキーには声かけしました。今日は流れも早く、逃げ切るのは難しいんじゃないかと直線ヒヤヒヤしましたが、凄い根性を発揮してくれて感心してしまいましたよ。馬の状態は今までで一番よかった。今後のことは馬の状態を見ながら決めたいですね」と声を弾ませた。

 イグナシオドーロは、父ヴィットリオドーロ、母ベラトリックス、その父スマートボーイという血統の2歳牡馬。新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホースで、母ベラトリックスは地方・笠松競馬の重賞クイーンC勝ち馬。

 父ヴィットリオドーロもまた、グランド牧場の生産馬で、母は彩の国浦和記念(G2)などダート重賞8勝を挙げたプリエミネンス。初年度産駒は8頭と少ないが、その中から早くも地方重賞勝ち馬を送り出した。