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王冠賞は牝馬のクロスウィンドが優勝

  • 2018年07月31日
  • 迫り来る牡馬たちを尻目に逃げ込みを図る
    迫り来る牡馬たちを尻目に逃げ込みを図る
  • 牝馬のクロスウィンドが三冠最後の王冠賞を制した
    牝馬のクロスウィンドが三冠最後の王冠賞を制した
  • 次走はブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を予定している
    次走はブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を予定している
  • 重賞2勝目、嬉しい口取り
    重賞2勝目、嬉しい口取り
  • 騎乗した坂下騎手も久しぶりの重賞勝利となった
    騎乗した坂下騎手も久しぶりの重賞勝利となった

 7月26日、門別競馬場では3歳クラシック最終戦となる北海道新聞社杯第39回王冠賞 (H2)【ストロングリターン賞】がダ1800mで行われた。

 今年の出走馬は、牡7頭、牝4頭の11頭。

 1番人気は北斗盃勝ち馬のサザンヴィグラス。2番人気は北海優駿2着の牝馬、クロスウィンド、3番人気は北海優駿勝ち馬のカツゲキジャパンと、実績ある3頭が人気を集めた。

 やっと夏らしい気候になった北海道。コース沿いに集まった来場者に見守られながらスタートを切った。クロスウィンド、サザンヴィグラスの人気馬2頭が好ダッシュを決め、ツルノシン、マッドドッグ、マイネルセボンらがつづく。向こう正面で先頭に立ち、後続を離しながら逃げるツルノシンを見ながらクロスウィンドとサザンヴィグラスが2番手追走。3コーナー手前で早くもツルノシンを競り落とすと、外からマッドドッグもスパート、3頭が並んで直線を向いた。内に進路を取り加速したクロスウィンドに、食らいつくマッドドッグ。ゴール前クビ差まで詰め寄られたがなんとか凌ぎきり、三冠最後のレースは牝馬のクロスウィンドが制した。勝ち時計は1:57:5(晴・良)2着にマッドドッグ、1/2馬身差の3着はマイネルセボン、サザンヴィグラスは7着という結果だった。

 渾身の騎乗で重賞勝利へ導いたのは、ベテラン坂下秀樹騎手。レース後、昨年まで主戦を務め、調教師に転身した佐々木国明師とガッチリ握手を交わした姿が印象的だった。「自分自身、6年ぶりの重賞勝利なので嬉しいの一言ですね。前走悔しい思い(北海優駿2着)をしているので勝ちたかったですし、今日は3コーナー辺りでこれなら、という期待がありました。ずっと後ろに馬が見えてたから、早くゴール板来い!と必死でしたよ。自分はただレースに乗っただけ。普段から一生懸命調整している厩舎スタッフに感謝しています」と笑顔を見せた。

 2008年ボクで制して以来、10年振りに同レースを制覇した若松平調教師は「昨年ブロッサムCを勝って南関東へ移籍、春に戻って来たけど北斗盃で惨敗(14着)して、その原因がわからないまま北海優駿を迎えたので、北海優駿で2着した時は力が出せるようになってきたんだなと感じていました。今回の勝利はこの馬の長所である“しぶとさ”を発揮し、今後の活躍を期待させるもの。2歳の入厩当時は目立たない馬だったから、ここまで強くなるとは想像していませんでしたよ」と話した。

 クロスウィンドは、父ヴァーミリアン、母プリンシプルレディ、その父アグネスデジタルという血統の3歳牝馬。生産は浦河町荻伏の大北牧場で、2016年の北海道オータムセールにおいて194.4万円(税込)で取引された。近親には2010年の府中牝馬S(G3)勝ち馬テイエムオーロラ、2001年京都新聞杯(G2) 勝ち馬テンザンセイザなどがいる。

 2歳時にブロッサムCを制し、王冠賞で重賞2勝目、牝馬による王冠賞制覇は2011年のビューティーリヨ以来7年振りとなる。