馬産地ニュース

札幌競馬場がJRA札幌セミナー

  • 2018年06月29日
  • 講師を務めた根本康広JRA調教師と藤田菜七子JRA騎手
    講師を務めた根本康広JRA調教師と藤田菜七子JRA騎手
  • 主催者を代表して挨拶する植木聡JRA札幌競馬場場長
    主催者を代表して挨拶する植木聡JRA札幌競馬場場長
  • セミナーには110人の財界人が出席した
    セミナーには110人の財界人が出席した

 6月21日、JRA札幌競馬場(植木聡場長)は、札幌市中央区にある札幌プリンスホテルにおいて、平成30年度第1回「JRA札幌セミナー」を開催した。

 このセミナーは札幌の各界の経営者らトップに、中央競馬をより深く理解してもらう目的で2011年から開催。今年で8年目、この日で17回目となった。

 今回は、根本康広JRA調教師と藤田菜七子JRA騎手を講師に迎え、「根本康広調教師と藤田菜七子騎手に聞く競馬への思い」が演題。これまでで最も多い111人もの出席者が集まった。

 セミナー開催にあたり植木聡場長は「本日はご多用のなか、多数のお客様にお越しいただきありがとうございます。また、日頃から札幌競馬場の運営にご理解を賜り厚く御礼申し上げます。また、協賛していただいた札幌馬主協会様へは、この場をお借りして感謝申し上げます。セミナーは今年で8年目を迎えますが、とくに4年前に札幌競馬場をリニューアルしたのを境に、皆様の競馬へのご理解が深まったと感じております。本日の講師の根本調教師は騎手時代にギャロップダイナで秋の天皇賞(秋)(G1)を、メリーナイスで日本ダービー(G1)を制するなど活躍されました。調教師になられた現在は、JRAで最も多い3人のお弟子さんを抱えられてます。藤田騎手は2年前にJRAの七人目の女性騎手としてデビューされました。JRAでは16年ぶりの女性騎手ということでマスコミに大きく取り上げられました。先日、通算31勝を記録しました。女性の活躍、若年層の人材育成は私たちJRAにとって、また、現在の日本の企業社会でも大きな課題となっています。本日のセミナーでは、こういった女性、若年層の人材登用、活用など、皆様にとってもためになるお話が聞けると思います」と挨拶した。

 講師の根本調教師は1998年に開業。丸山元気騎手、野中悠太郎騎手、藤田菜七子騎手の3人の弟子を育てる調教師として活躍している。また、騎手時代にはメリーナイスで日本ダービー(G1)を制するなど輝かしい実績を持つ。もう一人の講師、藤田騎手は2016年に16年ぶり7人目のJRA女性騎手としてデビュー。2017年にはJRA年間14勝をあげ、JRA女性騎手の年間最多勝記録を更新した。

 根本調教師は騎手時代にメリーナイスやギャロップダイナに騎乗した当時のレース映像を振り返りながら、エピソードや思い出話を披露。調教師という経営者の立場になってからは「競走馬は高価な生き物で、馬主さんにとって自分の子供のようなものです。自分としては勝つこと、そして、いかに多く出走させるかを第一に考えています。馬主さんは毎日馬を見れるわけではないので、何かあればすぐに連絡するなど連絡を密にすることを心がけています」と話した。現在の3人の騎手を含め、これまでに5人の騎手を所属させているが「開業前から騎手を育てようと思っていました。それは自分の師匠である橋本輝雄調教師が下手くそだった自分を騎手として一人前に育ててくれたから」と明かし「3人とも性格が違うのでアドバイスの仕方は変えています」と育てるうえでのポイントをあげた。

 藤田騎手は「根本先生のところに所属して心の底から良かったと思います」と師匠に感謝。JRAでのデビュー戦や初勝利、年最多勝記録など節目となったレースを映像で振り返り、裏話や感想を打ち明けた。通算で31勝をあげてG1レースに騎乗できることになった藤田騎手は「夢の話しにはなってしまいますが、根本先生も勝たれた日本ダービー(G1)は、競馬に携わる者にとして一番勝ちたいレースですね」と目を輝かせた。最後に北海道の競馬ファンに向け「まだ北海道ではレースに乗ったことはないですが、早く乗りたいと思います。今後は次の一勝を目指して頑張っていきたいです」とメッセージを送った。

 セミナーの最後には出席者を対象にプレゼント抽選会が行われ、当選者に藤田騎手のサインが入ったゴーグル、レプリカゼッケン、勝負服の中に着るアンダーウェアが贈られた。