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軽種馬育成調教センターで育成調教技術者養成研修第35期生修了式

  • 2018年04月17日
  • 育成技術者養成研修第35期生研修修了式
    育成技術者養成研修第35期生研修修了式
  • 見事な騎乗技術を披露した騎乗供覧
    見事な騎乗技術を披露した騎乗供覧
  • 修了証書が渡された修了式
    修了証書が渡された修了式
  • 研修修了を祝福した昼食会
    研修修了を祝福した昼食会

 4月13日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC、大平俊明理事長)は、BTC「軽種馬診療所」2階において、育成調教技術者養成研修の第35期生修了式を行った。

 この日、晴れて修了式を迎えたのは、19歳から22歳の16人(男性14人、女性2人)。昨年4月から始まった研修では、399時限に及ぶ騎乗研修、54時限に及ぶ実技研修、66時限に及ぶ学科研修のほか、牧場実習、3回にわたるJRA実習、17箇所の施設見学などを経て、育成調教技術者になるために必要な知識や技術を習得してきた。16人はすべて本州や日高、胆振管内の育成牧場へ就業する。浦河町内での就業者がいないのは初めてという。

 当日は修了式に先立ち、育成調教技術者研修施設の800m調教馬場において、集まった研修生の家族、来賓、研修生が就業する牧場の関係者、メディア関係者をまえに騎乗供覧を実施。人馬一体となった手綱さばきで、1年の研修の成果を披露した。

 修了式ではBTC白木正明専務理事が「育成調教技術者養成研修の全課程を修了したことを証します」と16人に修了証書と騎乗供覧で使用したゼッケン、記念品を授与。「研修生の皆さんは1年前に、それぞれの志を抱いて研修生としての生活に入りました。はじめは19人いた仲間が3人抜けて、修了者が16人になったのは非常に残念でしたが、皆さんは1年間、研鑽の日々を積み重ねて本日晴れて修了の日を迎えました。皆さんの今日の姿を見ますと、1年前と比べてお世辞抜きで非常にたくましくなったと感じています。このあと、皆さんは就労先の牧場で働き始めます。それぞれ希望の育成牧場に就労できることになりました。喜ばしいことですが、皆さんはまだまだ未熟です。やっとホースマンを目指す資格を得たにすぎません。若い皆さんの未来には、大きな可能性があります。これからも高い目標を持って頑張ってください」と式辞を送った。

 来賓の松浦英則北海道日高振興局長は「先ほど騎乗を見せていただきました。かっこよかったです。たくましかったです。これからホースマン、プロとしての第一歩を踏み出します。壁にぶつかったときはこの研修での1年間を思い出して頑張ってください。この日高の地を第二のふるさとと思ってほしい」。平賀敦JRA日高育成牧場長は「今日の騎乗供覧、先日のJRA育成馬展示会、1年間でほぼ素人から本当によく乗れるようになった。大したもんだと思います。しかし、まだまだです。ようやくスタートラインです。これから苦しいこともあります。しかし、自分が手がけた馬がデビューする、新馬を勝つ、未勝利を勝つとうれしいといったことがすぐに経験できます。これからも馬全般のことを勉強し続けて、10年後、20年後、30年後には、ホースマンとして胸を張れるような人になってほしいです」と激励した。

 最後に35期生を代表して兵庫県出身の伊藤大輝さんが「暖かい日差しが差し込み、春の訪れを感じるこのよき日に、私たちBTC研修第35期生は、1年間の研修を終え、無事に修了を迎えることができました。この1年間、一人一人と向き合い、優しく、時に厳しく、ご指導くださった教官方、生活面でサポートしてくださった寮監および、私たちに関わったすべての人の助けがあり、今日までいろいろなことを学ぶことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。BTCの研修で学んだことを生かし、失敗を恐れずにチャレンジして、確実に前に進んで成長していき、立派なホースマンになりたいと思います」と謝辞した。

 このあと、35期生やその家族、BTC職員、来賓、就業先となる牧場関係者を交えて昼食会を開催。育成調教技術者養成研修表彰規則に則って選定された、騎乗技術最優秀賞、厩舎作業最優秀賞、学科最優秀賞、場長賞、理事長賞、皆勤賞の受賞者の表彰式も行われた。