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王冠賞はスーパーステションが最後の一冠を制する

  • 2017年08月01日
  • 直線、後続を大きく引き離すスーパーステション
    直線、後続を大きく引き離すスーパーステション
  • 圧倒的なレース内容で重賞初勝利を飾った
    圧倒的なレース内容で重賞初勝利を飾った
  • 素質馬の才能が開花した瞬間でもあった
    素質馬の才能が開花した瞬間でもあった
  • 口取り写真
    口取り写真
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

 7月27日、門別競馬場では3歳クラシック最終戦となる北海道新聞社杯第38回王冠賞 (H2)【モンテロッソ賞】がダ1800mで行われた。

 北斗盃(H3)、北海優駿 (H1)の二冠を制し、三冠を目指す岩手のベンテンコゾウに立ち向かうのは地元勢9頭。

 当然の1番人気は二冠馬ベンテンコゾウで1.2倍。7.4倍の2番人気は北海優駿2着のスカイロックゲート。北海優駿出走後、条件戦で古馬相手に圧勝をするなど成長が期待された。8.6倍の3番人気は、北斗盃2着、北海優駿5着からの巻き返しを図るストーンリバーだった。

 スタンド前から揃ったスタート。スカイロックゲート、スーパーステションが牽制しながらハナを主張し、間に挟まれたベンテンコゾウは控えて外目を追走する形になった。スカイロックゲートとスーパーステションがペースを握り、離れた3番手にモンサンルリアン、内トキノクレール、ベンテンコゾウはその後ろ。向こう正面で後続を引き付け、後方で待機していたストーンリバーが進出を開始、まだまだ余裕のあるスーパーステションに対し、スカイロックゲートは一杯になり後退。代わりに外からベンテンコゾウが追いすがるも、4コーナーを周り追い出しを開始したスーパーステションはさらに加速。7馬身もの着差を付けて重賞初勝利を飾った。先行勢は総崩れとなり、追い込んで来たストーンリバーもベンテンコゾウを交わすので精一杯だった。勝ち時計は1:56:7(曇・良)

 昨年の北海道2歳優駿(Jpn3)6着以降、長い休養を経て条件戦から再始動したスーパーステション。その間、バンドオンザランやヒガシウィルウィンなど同期の仲間たちは順調に勝ち星を重ねていた。無冠の大器が最後の三冠目に間に合った形だ。鞍上の阿部龍騎手は、昨年の同レースもジャストフォファンで制しており、連覇となった。「他場の馬が三冠に王手をかけていたので、地元の馬でなんとか阻止したいと思っていました。レース中は馬の気持ちが前面に出ていたので折り合いに注意しながら。元々素質の高い馬ですし、結果を出せたことが素直に嬉しいです。昨年は自厩舎の馬(スティールキング)の三冠を阻んでしまったのですが、今年は堂々と、胸を張って喜べます」と笑顔を見せた。

 角川秀樹調教師は「レース前から他場の馬に三冠だけは取らせたくないという気持ちでしたから、自分の管理馬で阻止できたことは嬉しいです。レースに関しては、もう少し後ろからと指示を出していましたが、ジョッキーが馬と息を合わせて、結果的に上手く乗ってくれたと思っています。スピードはもちろん、終いもしっかり伸びてくれる安定感がありますし、2歳時から期待していた分、やっと開花してくれたかなという嬉しさもあります。今日は本当に人馬ともに頑張ってくれました」と話し、感無量な面持ちだった。

 スーパーステションは、父カネヒキリ、母ワイルドイマージュ、その父ワイルドラッシュという血統の3歳牡馬。生産は新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。