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ノーザンホースパークでセレクトセール当歳セッション

  • 2017年07月12日
  • 落札の際には会場内から拍手がわき起こった
    落札の際には会場内から拍手がわき起こった
  • 展示には朝早くから多くの購買者が足を運んだ
    展示には朝早くから多くの購買者が足を運んだ
  • 市場における最高価格馬となったディープインパクト産駒のイルーシヴウェーヴの2017
    市場における最高価格馬となったディープインパクト産駒のイルーシヴウェーヴの2017
  • ジェンティルドンナの全妹となるドナブリーニの2017
    ジェンティルドンナの全妹となるドナブリーニの2017

 7月11日、日本競走馬協会の主催の「セレクトセール2017」の当歳セッションが、苫小牧市・ノーザンホースパーク特設会場において開催された。

 前日に開催された1歳セッションでは落札総額93億2,526万円(税込、以下同)、落札率の89.3%、平均価格の4,317万2,500円の全てで1歳セッションのレコードを更新。前日の記者会見に応じた日本競走馬協会の吉田勝己理事からも、「1歳だけでなく当歳の下見に来られていた購買者の方も多く見られましたし、当歳セッションも凄いせりになると思います」との言葉が聞かれていたが、せりに先駆けて行われた展示でも朝早くから多くの購買者や調教師が足を運び、上場馬の最終チェックを行っていた。

 この日、最初の上場馬となったアナアメリカーナの2017(牡、父ハーツクライ)に1億1,520万円でハンマーが落とされると、27頭目の上場馬まで連続での落札が続き、その間には1億を超える取引馬も3頭誕生。5頭目の1億円越えの取引馬となったのが全姉にジェンティルドンナを持つドナブリーニの2017(牝、ディープインパクト)。3億9,960万円で(株)DMM.comが落札し、国内の競走馬市場では3番目の高額落札馬となった。

 その取引額を更に上回る、6億2,640万円の落札がされたのがイルーシヴウェーヴの2017(牡、父ディープインパクト)。落札者は近藤利一氏となっている。国内の競走馬市場では、2006年の当歳セッションに上場されたディナシーの6億3,000万円に続く史上2番目の取引額であり、落札の瞬間はせり会場内に拍手も起こっていた。

 この2頭を含め、この日の当歳セッションでは1億円以上の取引馬が19頭誕生。高額落札馬ラッシュだけでなく、せりの終盤を迎えても活発な取引が続き、86.4%という当歳セッション史上最高の売却率を記録。落札総額もまた、昨年より約20億円増となる93億8,790万円となっただけでなく、一頭あたりの平均落札額である4,941万円と共に当歳セッションのレコードを更新した。

 2日間合計での総売上額の187億1,316万円も、従来のレコードだった昨年の161億3,746万円を大きく上回り、平均価格(4,609万1,527円)、売却率(87.9%)も史上最高となっている。

 セール終了後に記者会見に応じた日本競走馬協会会長代行の吉田照哉氏は、記録づくめとなった2日間のセールを振り返り、「去年のセールが驚異的な売り上げを記録しただけに、それに近い数字が残せればいいとは思っていましたが、せりの終盤に入ってからも活発な取引の声がかかり続けるなど、あり得ないセールが行われたとの印象があります。上場者側も繁殖牝馬への投資を惜しまないだけでなく、魅力溢れる種牡馬との配合馬を上場させたことで、セレクトセールの名に恥じない良質な馬が集まったこともまた、購買意欲に繋がったのではないかとも思います」と語っていた。