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道営重賞・北海優駿はベンテンコゾウが二冠達成

  • 2017年06月05日
  • 1周目、スカイロックゲートがレースを引っ張る
    1周目、スカイロックゲートがレースを引っ張る
  • 不良馬場を物ともせず突き抜けるベンテンコゾウ
    不良馬場を物ともせず突き抜けるベンテンコゾウ
  • 愛馬の健闘を讃える村上忍騎手
    愛馬の健闘を讃える村上忍騎手
  • 二冠達成の口取り写真
    二冠達成の口取り写真
  • 雨のため、表彰式はスタンド内で行われた
    雨のため、表彰式はスタンド内で行われた

   6月1日、門別競馬場ではダービーシリーズ第二弾となるSTV杯第45回北海優駿(H1)【エイシンフラッシュ賞】がダート2000mで行われた。

   ホッカイドウ競馬の頂点を目指しエントリーしたのは3歳馬14頭。北斗盃を制し、二冠目を狙う岩手競馬所属のベンテンコゾウVSそうはさせまいと地元勢の意地を賭けた戦いとなった。しかし、2.3倍の1番人気はベンテンコゾウ。3.1倍の2番人気は北斗盃でベンテンコゾウの2着だったストーンリバー。離れた3番人気は今季からホッカイドウ競馬に移籍し、北斗盃は13着に大敗したもののその後2連勝でここに臨んだモンサンルリアンで7.1倍だった。

   降り続く雨の影響で、コースには水が浮いた状態。ドンカスターボーイが出走を取り消し、13頭がゲートに収まった。先手を奪ったのは、北斗盃同様スカイロックゲート。順調に自分のラップを刻み、ペースを作る。2番手にベンテンコゾウ、直後にストーンリバーがマークし、内にモンサンルリアン、スウィフトハート、センコーファーストが続き縦長の隊列となった。向う正面、抑えきれない勢いでレインハートが後方から追い上げを図ると、3コーナー手前で一気に馬群が縮まり直線へ向いた。逃げ粘るスカイロックゲートに襲いかかるベンテンコゾウ、残り100mでベンテンコゾウが先頭に躍り出ると、2馬身の差を付け二冠を達成した。勝ち時計は2:07.0(雨・不良)、2着は8番人気のスカイロックゲート、そこから更に4馬身差の3着はモンサンルリアンが入線し、3/4馬身差の4着にレインハート、ストーンリバーは5着という結果だった。

   これで重賞5連勝、デビュー戦からずっと手綱を取る岩手の村上忍騎手は「前回チグハグなレースだったので、今日はしっかり周りを見ながらレースをしようと考えていました。折り合いに問題ない馬ですから、距離は克服してくれるだろうと思っていましたし、マークがきつくなっても大丈夫だろうと、馬の強さを信じて乗りました。ゲートは多少もたつきましたがスタート後は問題なく、リズムよく運べましたね。直線半ばくらいで交わせればと思っていたら反応よく動いてくれましたから、本当に強い馬です。安心してレースができました」とホッとした表情を浮かべていた。

   管理する菅原勲調教師は「前回同様、早めに地元で追い切りを行い、北海道へ輸送してからはリラックスさせるというスタイルで最高の仕上がりだったと思います。2000mという距離だけが不安材料でしたが、今日は乗り役が完璧に乗ってくれましたね」と岩手の元トップジョッキーからの褒め言葉に、村上騎手からも笑みが溢れていた。

   二冠馬となったベンテンコゾウ、狙うは当然ホッカイドウ競馬三冠だ。「2000mを克服できたので、次走王冠賞(1800m)は今日以上に自信を持って挑めますね。馬を再び最高の状態に仕上げてまた海を渡りたいです」と菅原調教師は意欲を燃やしていた。

   ベンテンコゾウは父サウスヴィグラス、母スタートウショウ、母の父スキャターザゴールドという血統の3歳牡馬。祖母には京都牝馬特別(G3)など重賞5勝をあげたヌエボトウショウがいる。生産は新ひだか町三石の土田和男牧場で、過去には1997年NHKマイルC(G1)3着のショウナンナンバーを生産している。