馬産地ニュース

優駿スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催

  • 2017年02月15日
  • 父ヘニーヒューズと同じスタリオンで繋養となるヘニーハウンド
    父ヘニーヒューズと同じスタリオンで繋養となるヘニーハウンド
  • 芝の中長距離で活躍したバンデ
    芝の中長距離で活躍したバンデ
  • 2頭の愛馬の応援に駆け付けた林正道オーナー
    2頭の愛馬の応援に駆け付けた林正道オーナー
  • 芝・ダートで重賞制覇したアジアエクスプレス
    芝・ダートで重賞制覇したアジアエクスプレス
  • G1・Jpn1を10勝したホッコータルマエ
    G1・Jpn1を10勝したホッコータルマエ
  • ホッコータルマエの応援に駆け付けた西浦調教師と幸騎手
    ホッコータルマエの応援に駆け付けた西浦調教師と幸騎手
  • 生まれ故郷で種牡馬入りしたアロマカフェ
    生まれ故郷で種牡馬入りしたアロマカフェ
  • 本邦初産駒が今年デビューするヘニーヒューズ
    本邦初産駒が今年デビューするヘニーヒューズ

 2月14日の11時から開催された新冠・優駿スタリオンステーションの種牡馬展示会。この日はバレンタインデーということもあり、詰めかけた約500人の生産関係者には、種牡馬パンフレットの他に、ロイズのポテトチップチョコレートがスタッフから渡された。

 ポテトチップチョコレートの他にも、温かい豚汁やお汁粉、そしてお昼時ということでおにぎりも渡される中、身も心も温かい気持ちで展示会場を取り囲んだ生産関係者の前にまず姿を見せたのは、5頭の新種牡馬たち。

 その中で最初に姿を見せたのは優駿スタリオンステーションで繋養される、へニーヒューズの後継種牡馬となるへニーハウンド、続いては英ダービーを制したAuthorizedの本邦初繋養種牡馬となるバンデが登場してきた。

 この2頭共に林正道オーナーの所有馬。司会を務めていた(株)優駿の藤本一真氏からマイクを渡された林オーナーは、2頭のセールスポイントについて語り、「へニーハウンドは仕上がりの良さで早い時期から短距離戦で活躍を見せた馬であり、一方、バンデは芝の中長距離で先行逃げ切りを見せるなど、強いレースをしてくれました。2頭共に違った個性を持った馬ですが、この個性は産駒にも遺伝されていくはずです。また、サンデーサイレンスを持つ繁殖牝馬との配合も可能であり、私自身も、自分の所有するサンデーサイレンスの血が入った繁殖牝馬に率先して配合していきます」とも話していた。

 続いて登場したアジアエクスプレスの展示では、馬場幸夫オーナーにマイクが渡された。「アジアエクスプレスは日本馬には無い機関車のようなパワーで、ダート、そして芝の双方で素晴らしい成績を残してくれました。産駒たちも予測不能の楽しい旅に連れて行ってくれるような活躍を見せてくれると思います」とその馬名にちなんだセンス溢れる解説を行った。また、現役時の管理調教師だった手塚貴久調教師も、「ダート、芝の双方でこれだけの活躍を残した馬に接したのは、調教師として初めてのことです。優れた能力だけでなく、この素晴らしい馬体も産駒に遺伝されるはずです」と語っていった。

 ホッコータルマエの展示では、藤本氏と現役時の管理調教師だった西浦勝一調教師とのクロストーク形式でその魅力が語られた。

 「ホッコータルマエを初めてみたのはせり(2010年の北海道セレクションセール)でしたが、男前で賢い馬だと思いました。今日の毛づやの良さにも現れているように、内臓も丈夫であり、上質の筋肉もしています。いい仔が出てくると思いますし、ゆくゆくは産駒を自分で管理してみたいです」と当時を懐かしむように話していた。またこの日は主戦騎手だった幸英明騎手も会場に駆けつけ、「今日は元気な姿を見せていますが、普段はとてもおとなしく、そして乗りやすい馬でした。生産者の皆さんに1頭でも多く配合していただいて、その産駒に騎乗させていただきたいと思います」と実際に騎乗していた騎手ならではの視点でセールスポイントを語っていた。

 新種牡馬最後の展示となったのは、2010年のラジオNIKKEI賞の勝ち馬であるアロマカフェ。生産牧場は新冠町内の浜口牧場であり、生まれ故郷でのスタッドインとなった。2015年に亡くなったマンハッタンカフェの後継種牡馬であり、また、牝系には桜花賞馬ブロケードの名前もある日本古来の良血馬。9歳まで61戦を戦い抜いた現役時と同様に、種牡馬としても息の長い活躍をして欲しい。

 この日は22頭の種牡馬が繋養された中、キングヘイロー、プリサイスエンドといった実績充分の種牡馬の後に展示されたのは、今年、初年度産駒をデビューさせる5頭の種牡馬たち。その中でも最後の展示であり、優駿スタリオンステーションの種牡馬展示会の大トリに姿を見せたのがへニーヒューズだった。

 同スタリオンで繋養されるアジアエクスプレス、へニーハウンドといった持ち込み馬や輸入馬の活躍もあって、繋養前から高い注目度を集めていたへニーヒューズは、繋養初年度にいきなり191頭の繁殖牝馬に配合を行う人気ぶり。昨年も182頭と配合を行う人気ぶりだった。

 優駿スタリオンステーションでは後継種牡馬として、サウンドボルケーノも繋養。今年、デビューする2歳世代を初めとする日本生まれの産駒からも、ゆくゆくはこの父系を更に広げていくような種牡馬候補生が続々と現れてきそうである。