馬産地ニュース

2017年ジェイエス冬季繁殖馬セールが開催

  • 2017年02月02日
  • 最高価格となったパラダイスリッジ
    最高価格となったパラダイスリッジ
  • パラダイスリッジは兄に重賞勝ち馬がいる血統背景
    パラダイスリッジは兄に重賞勝ち馬がいる血統背景
  • 重賞入着馬アドマイヤビジンは2,000万円
    重賞入着馬アドマイヤビジンは2,000万円
  • 良血アドマイヤサブリナも高評価を得た
    良血アドマイヤサブリナも高評価を得た
  • 比較展示は行われず、馬房前展示
    比較展示は行われず、馬房前展示
  • 購買者には軽食がふるまわれた
    購買者には軽食がふるまわれた

 繁殖牝馬の血の更新などを目的とした繁殖馬セール(冬季)が2月1日、北海道日高郡新ひだか町のJBBA日本軽種馬協会北海道市場で開催された。

 馬産地の競走馬総合商社の(株)ジェイエスが主催するこのセールの歴史は古く、その歴史の中で数多くの名牝たちのトレードの場となってきた。

 今回は、受胎繁殖牝馬11頭、未供用含む空胎繁殖牝馬27頭の計38頭が上場され、売却総数は25頭。その内訳は受胎牝馬が5頭、空胎牝馬が20頭で、合計166,870,800円(税込)を売り上げた。

 昨年比では上場頭数は増減ゼロで、売却頭数は6頭減。売上総額は44,560,800円増となった。平均価格は、受胎馬が701,169円増で、空胎馬が3,265,740円増。

 最高価格はディープインパクト産駒の5歳馬パラダイスリッジ。全兄にカミノタサハラ(弥生賞(G2))ボレアス(レパードS(G3))がいる良血馬。祖母のクロカミも京王杯オータムH(G3)など重賞2勝の活躍牝馬で、パラダイスリッジ自身も2015年5月に岩田騎手を背に芝2000mで差しきり勝ちを記録している。

  300万円の声からスタートしたせりは、最初は様子見ムードで10万単位のせり上がりだったが、500万円を過ぎたあたりからヒートアップ。1,000万円を超えても激しい競り合いが続き、最終的には23,760,000円で(有)ケイアイファームが落札した。

 これに続いたのは、JRAブリーズアップセール出身でファンタジーS(G3)3着。桜花賞(G1)、NHKマイルカップ(G1)や秋華賞(G1)にも出走したアドマイヤビジン(6歳、父クロフネ)。こちらも激しい競り合いの末にシンボリ牧場(有)が21,600,000円で落札。JRA3勝馬で母ツィンクルヴェールがペールギュント(デイリー杯2歳S(G2)、シンザン記念(G3))の全姉という血統のアドマイヤサブリナ(7歳、父シンボリクリスエス)は21,060,000円で吉川ホールディングス(株)が落札した。

 なお、アパパネの半妹パローマ(4歳、父ディープインパクト)は10,800,000円で(有)二風谷ファームが、ドリームパスポートの母グレースランド(19歳、父トニービン)は4,644,000円で西村健氏が落札している。

 セール終了後、(株)ジェイエスの藤原悟郎社長は「総売上げという面では非常に満足しているが、売却率が下がってしまったのが残念。購買者側が上場馬を吟味してせりに参加したということだと思う。良質馬が高く評価されたという意味ではよい市場になったと思う。冬季セールは上場確保が最大のテーマであり、来年度の開催に向けて頑張りたい」と市場を総括した。

 ●結果詳細につきましては、(株)ジェイエスのホームページをご覧ください。⇒http://jscompany.jp/index.html