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ノースクイーンカップはクラキンコが競り勝つ

  • 2013年07月26日
  • 3冠牝馬の意地を見せたクラキンコ
    3冠牝馬の意地を見せたクラキンコ
  • スタート後、2番手につけるクラキンコ
    スタート後、2番手につけるクラキンコ
  • 出走馬中最も大きい、510kgで出走した
    出走馬中最も大きい、510kgで出走した
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

   7月23日、門別競馬場では第12回ノースクイーンカップ(H2)[キングズベスト賞]が行われた。グランダム・ジャパン2013シリーズの古馬シーズン第3戦で、距離はダート1800m。

   今年のメンバーは9頭立てとやや寂しくなったものの、実績馬が顔を揃えた。1番人気は同レース3連覇中のショウリダバンザイで、6歳となった今年も道営トップクラスの牝馬として健在で、5月のコスモバルク記念(H2)では牡馬を破って勝利している。2番人気はこちらも重賞戦線でおなじみの3冠牝馬クラキンコ。昨年の星雲賞(H2)以来勝ち星から遠ざかっているものの、前走は一線級の牡馬相手に僅差2着の結果を残した。2011年のNARグランプリ2歳最優秀牝馬エンジェルツイートが3番人気に続き、中央から移籍後初の重賞挑戦となるシャイニングサヤカが4番人気に推された。

   坂田博昭アナウンサーの実況でレースはスタート。大方の予想通りシャイニングサヤカが逃げ、クラキンコが2番手、ショウリダバンザイは中団よりやや後ろからレースを進める。向正面に入って馬群は縦に長くなり、先頭からしんがりまでは15、6馬身。3コーナーに入ると、逃げる岩橋勇二騎手とシャイニングサヤカの背中を目がけてクラキンコ、エンジェルツイート、ショウリダバンザイが差を詰め、プレッシャーをかける。前4頭がかたまって直線に向き、最後は横に広がっての脚くらべ。残り200mからシャイニングサヤカ、クラキンコ、ショウリダバンザイの3頭が並び、各騎手激しく手を動かしながら渾身の叩き合い。どの馬が勝ったのかわからないほどの際どい決着は、真ん中クラキンコに軍配。アタマ差2着でショウリダバンザイが入り、シャイニングサヤカが見せ馬たっぷりの3着に逃げ粘った。勝ち時計は1分56秒2(良馬場)。

   優勝騎手の宮崎光行騎手は表彰式のインタビューに答え、「前回は僅かの差で負けたので、今回は何としても勝ちたかった。相手はショウリダバンザイだと思っていたので、道中は逃げ馬を追いかけないで、最後の直線にかけました。最後はクラキンコがよく頑張ってくれましたし、久々に勝つことができて本当に良かったです。これからも活躍してくれると思うので、応援宜しくお願いします。」と、ホッとした表情をのぞかせた。宮崎騎手は同レース初制覇で、重賞制覇は一昨年、ピエールタイガーとのコンビで制した北海優駿(H1)以来、約2年ぶりとなった。

   クラキンコの生産は日高町の倉見牧場。門別競馬場に駆けつけていた同牧場の倉見利弘さんは、「久しぶりの勝利で本当に嬉しいです。よく頑張ってくれましたね。6歳となった今年も、この馬らしい強い競馬を見せてくれました。ダーレー・ジャパン繋養種牡馬のスタリオンシリーズ競走は、クラキンコで何度か勝てています。相性が良いというか、縁がありますね。」と、感想を語った。

   クラキンコはこれまで、2歳時にザール賞、3歳時にディープスカイ賞、4歳時と5歳時にパイロ賞、そして、今回のキングズベスト賞と制し、ダーレー・ジャパン繋養種牡馬の種付け権利がつく副賞のレースを5勝。重賞8勝という数字もさることながら、獲得してきた副賞の数々も素晴らしく、道営を代表する名牝のプロフィールはどんどん厚みを増している。