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無傷の3連勝でウィードパワーがブリーダーズGJC優勝

  • 2011年08月19日
  • ウィードパワーが快勝
    ウィードパワーが快勝
  • レース後の様子
    レース後の様子
  • スタート前まではメンコを着用
    スタート前まではメンコを着用
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

  8月17日、門別競馬場では第5回ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H1)[ネオユニヴァース賞]が行われた。

  このレースは交流重賞を除くホッカイドウ競馬2歳戦では唯一のH1戦で、夏の2歳チャンピオン決定戦として位置づけられている。距離はダート1800m。

  出走馬は10頭とやや少頭数となったが、今年も好素材の面々が集まった。1番人気は栄冠賞(H2)の勝ち馬ウィードパワーで、これまでの危なげない勝ちっぷりが評価され、単勝1.7倍の支持を受けた。対抗格には3勝をマークしているシーキングブレーヴと今年の2歳戦勝ち馬第1号馬ウィナーズマックス。他にも、シルクメビウスの半弟ハイタッチや注目の新種牡馬ダイワメジャー産駒コパノワーニングなど、将来性豊かな2歳馬があいまみえた。

  レースは最内枠を利してハイタッチが逃げ、ウィナーズマックスが2番手、ウィードパワーは3番手につけ、先行馬を見ながらシーキングブレーヴが好位を追走する。3、4コーナーに入り、逃げ・先行勢の手応えが怪しくなる中、ウィードパワーが満を持して追い出しに入る。直線ではウィードパワーが早々と先頭に立ち、2歳馬らしからぬダイナミックなフォームで他馬を突き放していく。マークしていたシーキングブレーヴが追撃するも、なかなか差は詰まらず、ウィードパワーが1分55秒8の時計で快勝した。シーキングブレーヴは1馬身及ばずの2着。3着には末脚勝負に賭けたコスモワイルドが入った。上位3頭は9月10日、JRA札幌・コスモス賞(芝1800m)の出走切符が与えられる。

  優勝した川島洋人騎手は表彰式のインタビューで、「自分の馬が一番強いと思って騎乗しました。今回はスタートも決まり、好位置でレースを進めることができました。道中も丁度良いペースでまわって来られましたね。デビューから乗せてもらっていますが、一戦毎にレースを覚えてきていますし、まだまだ成長してくれると思います。今後の活躍が楽しみですね。」と、喜びを語った。川島洋人騎手はパフォーマンス(北斗盃)とこのウィードパワーで今季重賞3勝目。10年前にはヤマノブリザードとのコンビで札幌2歳S(G3)を制しており、この馬とのコンビでも大きな仕事をやってくれそうだ。

  ウィードパワーの生産は青森県のマルシチ牧場。レース当日は青森県から牧場の方がはるばる応援に駆けつけていた。表彰を受けた同牧場の鳥谷部(とりやべ)さんは、「まさかここまで強い馬になるとは…驚きました。これだけの馬を生産できて嬉しいです。この馬の走りで東北の市場も盛り上がって欲しい。」と、胸中を語ってくれた。この日は青森県から5人で門別競馬場に訪れたそうで、久しぶりの愛馬との対面が嬉しい口取りの場となった。

  横綱相撲の内容で地元馬との戦いにひとまず決着を付けた青森産馬ウィードパワー。メジロ牧場が生んだ2歳王者・メジロベイリーの血を受け継ぎ、サマーセール1歳で105万円という取引価格ながら、瞬く間に道営2歳のスターダムに上りつめた。東北、北海道が育んだ大物として、全国にその名が知れ渡るのも近いだろう。