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社台スタリオンステーションで種牡馬展示会が行われる

  • 2021年02月22日
  • シスキン
    シスキン
  • ナダル
    ナダル
  • アドマイヤマーズ
    アドマイヤマーズ
  • ルヴァンスレーヴ
    ルヴァンスレーヴ
  • サートゥルナーリア
    サートゥルナーリア
  • 会場の様子
    会場の様子

 2月9日(火)、社台スタリオンステーション(北海道安平町早来)にて社台スタリオンパレード2021が開催された。新型コロナウイルス対策として会場の密を避けるため、午前10時30分と午後13時の2部制で行われた展示会には新種牡馬5頭を含む28頭の豪華なラインナップが名を連ねた。

 最初に紹介されたのは2020年度のアイルランド2000ギニー(愛G1)を無傷の5連勝で制したシスキン。父ファーストディフェンス、母バードフロウン、母の父はオアシスドリームという米国産馬。4代母ベストインショウに遡る母系は、アーモンドアイ、エルグランセニョール、スピニングワールド、リダウツチョイスなどがおり、世界的名馬の宝庫だ。4歳でスタッドインというのはヘクタープロテクター以来の30年ぶりとなる。非凡な集中力と瞬発力を味わって頂きたいと紹介された。

 続いて2020年度のアーカンソーダービー(米G1)を無敗の4連勝で制したナダル。父ブレイム、母アセンディングエンジェル、母の父プルピットという血統のアメリカ産馬。2019年のファシグティプトン社のトレーニングセールにおいてラスト1ハロン10秒0のタイムを計測し、700,000ドルで取引されたトレーニングセール出身馬だ。2020年1月のデビュー戦で勝利を飾ると、続くサンヴィセンテS(G2)で重賞初制覇。レベルS(G2)も快勝し重賞2連勝を果たした。アーカンソーダービー(G1)は2番手追走から圧勝。故障のため4戦4戦の戦績を残し現役を引退し4歳の若さで種牡馬入りとなった。「大型馬だが歩様も柔らかく体の使い方が良いです。日本にいる繁殖牝馬にも配合しやすい血統構成です。赤土の王者と称される名テニスプレイヤーのラファエル・ナダルが馬名の由来。」と紹介された。

 3頭目は2018年度の最優秀2歳牡馬に輝くなど重賞4勝馬アドマイヤマーズ。父ダイワメジャー、母ヴィアメディチ、母父メディシアンという血統で、安平町早来源武のノーザンファームの生産馬。2017年のセレクトセール1歳セッションにおいて、近藤利一氏に5,616万円(税込)で取引された。2018年6月中京の2歳新馬戦でデビュー勝ち、中京2歳Sも勝利。3戦目のデイリー杯2歳S(G2)で重賞初制覇。その後の朝日杯フューチュリティS(G1)を無傷の4連勝で制しG1初制覇。3歳時はNHKマイルC(G1)に優勝。JRA賞最優秀2歳牡馬としては史上2頭目のNHKマイルC(G1)制覇を成し遂げた。暮れには香港マイル(G1)に優勝。史上初の3歳での香港マイル(G1)制覇を達成すると同時に、日本馬では2頭目の3歳馬による海外G1制覇という金字塔を打ち立てた。パレードには友道康夫調教師が応援に駆け付けエールを送った。「アドマイヤマーズに初めて会ったのは1歳のセレクトセールの時でしたがその時はすでに骨格も素晴らしく良くバランスが取れていて、歩かせるとしなやかな歩様で顔立ちも聡明、1歳離れしたオーラを持つ馬でひと目惚れでした。調教も順調に進みました。並ぶと絶対に負けないという勝負根性を持つ精神的にも肉体的にも心に残る素晴らしい馬です。5歳で今もこの馬体、まだ走れそうですがアドマイヤマーズの夢の続きは皆様のお力添えで観たいと思います。応援をどうぞよろしくお願いいたします。」(友道師)

 4頭目は2018年度JRA賞最優秀ダートホースに輝いたルヴァンスレーヴ6歳。父シンボリクリスエス、母マエストラーレ、母父ネオユニヴァースという血統の社台コーポレーション白老ファームの生産馬。母系はファンシミンに遡り、菊花賞馬ソングオブウインド、桜花賞馬ラインクラフトのほか、アドマイヤマックス、ダイナフェアリー、ローゼンカバリー、ホクトスルタン、ダイナシュート、トウケイヘイロー、アドマイヤロイヤル、ドリームシグナル、タヤスメドウ、マルカフリート、アークヴィグラス、ブロードマインドなど数多くの重賞勝ち馬がいる。2017年デビュー戦の2歳新馬戦を勝利で飾ると、プラタナス賞、全日本2歳優駿(Jpn1)と3連勝で重賞初制覇を成し遂げた。3歳になりユニコーンS(G3)に優勝。続くジャパンダートダービー(Jpn1)も勝ち3歳春のダートチャンピオンに輝くと、マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)でも優勝。さらにチャンピオンズC(G1)で重賞4連勝を達成、JRA賞最優秀ダートホース、NARグランプリダートグレード競走特別賞馬を受賞した。 「母父ネオユニヴァース譲りの素晴らしい馬格で切れ味も抜群。父シンボリクリスエスのあとはルヴァンスレーヴが繋いでまいります。ダート適性、豪脚を産駒に伝えることができるのかとても楽しみ」とセールスポイントを紹介された。

 新種牡馬紹介のトリを飾ったのは2019年度のJRA賞最優秀3歳牡馬に選出されたサートゥルナーリア。父ロードカナロア、母シーザリオ、母父スペシャルウィークという血統で、半兄は2013年の菊花賞(G1)、2014年のジャパンC(G1)などを制覇し、種牡馬としても初年度産駒から無敗の3冠牝馬デアリングタクトを送り出したエピファネイア、2015年にデビュー2戦目で朝日杯フューチュリティS(G1)を制覇してJRA賞最優秀2歳牡馬に選出されたリオンディーズなどがいる。応援に駆け付けた角居勝彦調教師は「まさか僕と一緒に引退することになるとは考えもしませんでした。全ての能力を見せないままの引退となってしまいましたが非常に高いポテンシャルがあります。若くして種牡馬となりましたがこの能力を皆様の繁殖牝馬につけて頂いてシーザリオ系の素晴らしい子供たちの活躍を観たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」と応援メッセージを送った。

 その後は初年度産駒が誕生するブリックスアンドモルタル、ニューイヤーズデイ、スワーヴリチャード、レイデオロが紹介されたあと、初仔が1歳になるサトノダイヤモンド、マインドユアビスケッツ、サトノクラウン、レッドファルクス、リアルスティールが磨き上げられた馬体を披露した。初年度産駒がデビューを迎えるキタサンブラック、イスラボニータ、サトノアラジン、ロゴタイプ、ドレフォン。実績馬ではオルフェーブル、ハービンジャー、ルーラーシップ、ミッキーアイル、モーリス、キズナ、エピファネイア、ドゥラメンテが雄大な馬体を披露し、ロードカナロアがトリを華やかに勤め上げた。