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フォーティナイナーを偲ぶ会が執り行われる

  • 2020年10月28日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場で執り行われたフォーティナイナーを偲ぶ会
    日本軽種馬協会静内種馬場で執り行われたフォーティナイナーを偲ぶ会
  • 建立されたフォーティナイナーの墓碑
    建立されたフォーティナイナーの墓碑
  • 購買当時、売買契約書にサインしたJRA小玉剛資馬事部長も参列した
    購買当時、売買契約書にサインしたJRA小玉剛資馬事部長も参列した
  • 挨拶する益満宏行副会長常務理事
    挨拶する益満宏行副会長常務理事

 10月21日、新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場において、フォーティナイナーを偲ぶ会が執り行われた。

 偲ぶ会には日本軽種馬協会益満宏行副会長常務理事、柴田晃一事務局長、生産対策部横谷吾郎部長、静内種馬場遊佐繁基場長や職員、生産育成技術者研修生第42期生、JRA日本中央競馬会馬事部小玉剛資部長、JRA日高育成牧場の高嶋民治場長、内藤裕司副場長、青山史人総務課長、日高軽種馬農業協同組合木村貢代表理事組合長、前川則久理事など約40人が参列。新ひだか町静内本町にある龍徳寺の郷司隆澄住職による読経のなか、馬頭観世音前に設置された祭壇に焼香して供養した。

 フォーティナイナーは父がミスタープロスペクター、母がファイル、母の父がトムロルフという栗毛のアメリカ産馬。1985年にケンタッキー州で生産され、2、3歳時に19戦11勝2着5回。1988年のトラヴァーズS(G1)、1987年のシャンペインS(G1)などG1 4勝の競走成績をあげたのち、1989年に種牡馬入り。北米で6年間供用されたのち、JRA日本中央競馬会が購買、日本軽種馬協会に寄贈され、1996年より静内種馬場で供用を開始した。

 日本での供用年数は12年。この間、種付頭数875頭(生産頭数614頭、出走頭数542頭、勝馬頭数411頭、勝利度数1496回、重賞勝ち馬21頭、重賞勝鞍48勝)。

本邦産駒では、マイネルセレクト、ユートピア、アドマイヤホープというG1勝ち馬を、母の父としても皐月賞馬エポカドーロなど、多くの活躍馬を送り出し、日本軽種馬協会の看板種牡馬として、日本産馬の資質向上に貢献した。2007年の種付シーズン後に、種牡馬を引退。その後、功労馬として余生を送っていたが、本年5月、35歳で老衰のためその生涯を閉じた。

 益満副会長常務理事はフォーティナイナーの経歴を紹介し「馬の死に接するのは、いつでも悲しいことですが、フォーティナイナー号につきましては、35歳という年齢まで生きていてくれたことを喜び、また、ここまで管理できたことを誇りに思っている次第です。フォーティナイナー号を購買・寄贈してくださいましたJRA日本中央競馬会様、長きにわたり種付けをしてくださり、本馬を育ててくださった生産界の皆様、そして、最後まで手厚く管理してくれた担当職員の皆さんに、改めて感謝申し上げます」と挨拶。愛馬の死を悼んだ。