馬産地ニュース

イノセントカップはリーチが重賞初勝利

  • 2020年09月29日
  • 最内から抜け出すリーチ
    最内から抜け出すリーチ

  • 人気に応え、重賞初勝利を飾った
    人気に応え、重賞初勝利を飾った
  • 1着の枠場に通された
    1着の枠場に通された
  • これで5戦2勝、伸びしろは無限大だ
    これで5戦2勝、伸びしろは無限大だ
  • 重賞に限り馬主の口取り参加が解禁された
    重賞に限り馬主の口取り参加が解禁された

 2歳馬によるスプリント重賞・競馬ブック杯第20回イノセントカップ【シャンハイボビー賞】(H3)が9月24日、門別競馬場ダート1200mで行われた。

 フレッシュチャレンジ競走で大差勝ちしたダノンレジェンド産駒のアサナトが出走を取り消し、牡7頭、牝3頭の全10頭がエントリーした。1番人気は栄冠賞3着、JRA札幌競馬場で行われたすずらん賞にもチャレンジしたグランプリボス産駒のリーチで1.7倍。3.2倍の2番人気は、前走アタックチャレンジ競走を勝ち上がったばかりのスマートファルコン産駒、チサット。7.1倍の3番人気は栄冠賞、ブリーダーズゴールドジュニアC、JRA札幌競馬場へ遠征したクローバー賞など重賞出走経験豊富なネオユニヴァース産駒のハートプレイスと、フレッシュなメンバーが顔を合わせた。

 レースは、ビービービルダーがやや立ち遅れ後方から。チサット、ハートプレイスの2頭が並んで先手を奪い、前を見ながら内でじっと脚を溜めるリーチ、外にはレーヴプルーヴ、ウワサノシブコらが差を詰めにかかる。直線に入ると、先にハートプレイスがスパート。追いすがるチサット、内からスルスル抜けてくるのはリーチ。ハートプレイスとリーチの一騎打ちかと思われたが、残り100mでリーチがあっさり交わし、そのままゴールへ飛び込んだ。勝ち時計は1分13秒6(晴・稍重)。1馬身差の2着にハートプレイス、クビ差3着はチサットと、上位人気での決着だった。

 主戦の井上俊彦騎手が戦線離脱中のため、ピンチヒッターを務めた服部茂史騎手は「初めて乗せてもらいましたが、返し馬から気合乗りも良く、良い感触で返し馬へ行けました。課題だったゲート出も上手くクリアしてくれましたし、道中リラックスして折り合いも問題ない。仕掛け所ではスッと反応してくれたし、今日は全て上手く行った感じです」と笑顔で話してくれた。

 管理する林和弘調教師は「ゲート出はいつもよりスムーズ、上手く流れに乗ってくれました。直線では行き場がなくヒヤっとしましたが、内が開いてくれて良かったです。最初の頃は緩さが目立っていた馬ですが、レース毎に馬体もしっかりしてきて今日の勝利に繋がったんだと思います。本質的にはマイルまではこなせそうなので、これから幅を広げて行きたい」と声を弾ませた。

 リーチは父グランプリボス、母スイートローレライ、母の父Rahyという血統の2歳牡馬。生産は、シンボリルドルフをはじめ数々の名馬を送り出してきた地元門別の名門、シンボリ牧場で、近親には2000年のクリスタルC(G3)勝ち馬スイートオーキッド、2001年のスプリンターズS(G1)4着などのシンボリスウォードがいる。

 リーチ自身は、2019年のセプテンバーセールにおいて3,672,000円(税込)で購買された市場取引馬でもある。