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サッポロクラシックCはラッキードリームがハナ差で重賞初勝利

  • 2020年09月10日
  • 3頭横並びとなった直線の攻防
    3頭横並びとなった直線の攻防
  • 内を突いたラッキードリームがハナ差勝利
    内を突いたラッキードリームがハナ差勝利
  • 大人びた馬体、今後の活躍が期待される
    大人びた馬体、今後の活躍が期待される
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • スタンド内で目録進呈が行われた
    スタンド内で目録進呈が行われた

 9月3日、門別競馬場では2歳馬の長距離重賞、第7回サッポロクラシックカップ(H2)【パイロ賞】がダ1700mで行われた。

 今年の出走馬は牡馬8頭、牝馬1頭の計9頭。少頭数での施行となった。

 2.7倍の1番人気に推されたのは、シニスターミニスター産駒のラッキードリーム。ターフチャレンジ競走で優勝し、権利を得ると前走は札幌競馬場で行われたコスモス賞にチャレンジ。結果は8頭立ての8着だったが、経験値を積んで地元重賞に挑んできた。2番人気はクロフネ産駒のノットリグレットで3.0倍。デビュー戦以降は重賞を使われ、栄冠賞4着、ブリーダーズゴールドジュニアCを2着と大崩れはしていない。そろそろ順番が回ってきそうだ。3番人気はカジノドライヴ産駒のシビックドライヴで5.9倍。前走ウィナーズチャレンジ競走では、3コーナーから捲る王道のレースで優勝を果たし、今回が初重賞挑戦となる。

 雨が降ったり止んだりを繰り返し、馬場は前のレースから重に変わった。スティールグレートが躓き気味だった以外はまずまず揃ったスタート、飛び出したのは最内枠の紅一点、ハナウタマジリ。トランセンデンス、ラッキードリーム、スティールグレート、シビックドライヴらがそれに続き、先頭集団を形成した。直線まず抜け出したのはトランセンデンス、外から白い馬体のシビックドライヴが襲いかかる。しかし、最内で脚を溜めていたラッキードリームが残り100mでトランセンデンスに並びかけ、2頭の一騎打ちとなった。2頭はほぼ同時にゴール、ハナ差でラッキードリームが初重賞制覇を勝ち取った。勝ち時計は1分49秒4(雨・重)。2着にトランセンデンス、2馬身差の3着はシビックドライヴという結果だった。

 昨年に続き、今年もリーディングジョッキーの座を死守している石川倭騎手は、今季重賞初勝利。「返し馬から気が良く乗りやすそうな馬だな、という印象で、位置取りなどはゲートを出てから決めようと思っていました」テン乗りだっただけに探りながらのレースになったようだが、結果、好位からインをついて抜け出すという大人びたレース展開に「決して上手い乗り方ではなかったですが、馬の力に助けられました」と振り返った。

 管理する林和弘調教師は「前走はJRAの芝(コスモス賞)を使い、その後は若干疲れが残っていたものの、普段通りくらいには回復したのでこのレースを使うことにしました。絶好調とは言えない中、本当によく頑張ってくれましたし、今後はJBC2歳優駿(Jpn3)に向けて調整していきたいですね」と喜びを噛み締めていた。

 ラッキードリームは父シニスターミニスター、母サクラスリール、母の父ファンタスティックライトという血統の2歳牡馬。生産はサクラチヨノオー、サクラローレル、サクラチトセオー、サクラキャンドルなど “サクラ”の名馬を送り出してきた新ひだか町の谷岡牧場で、母の半姉に秋華賞(G1)2着、関東オークス馬のサクラヴィクトリアがいる由緒正しい血脈を持つ。また同馬はHBAサマーセールで取引された市場取引馬でもあり、8,316,000円(税込)で購買されている。