馬産地ニュース

軽種馬育成調教センターが育成調教技術者養成研修第38期生開講式

  • 2020年04月09日
  • マスク着用で開催された開講式
    マスク着用で開催された開講式
  • 式辞を送る大平俊明理事長
    式辞を送る大平俊明理事長
  • 間隔をあけて濃厚接触を避けての記念撮影
    間隔をあけて濃厚接触を避けての記念撮影

 4月7日、浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センター(大平俊明理事長)は、浦河町西舎のうらかわ優駿ビレッジAERU2階中会議室において、育成調教技術者養成研修第38期生開講式を開催した。

 第38期生は北海道、埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都、静岡県、愛知県、滋賀県、大阪府、兵庫県、熊本県など全国各地から集まった、15歳から24歳の20人(男性17人、女性3人)。牧場への就職、調教師、厩務員など様々な将来の抱負を持って入講した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来賓や第38期生の家族などの出席を取り止め、研修生、役職員のみが出席し、マスク着用、濃厚接触を避けて行われた開講式で大平理事長が式辞。「本日は来賓の方々、あるいは、ご家族の方々のご出席の上で、開講式を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染予防のために、研修生の皆さんのみという形になったことを、ご理解いただきたいと思います。
 これから一年間、非常に厳しい研修が始まります。晴れる日ばかりじゃありません。風が吹いたり雨が降ったり、雪が降ったり、とくに1月2月については、極寒の地で外に出て、非常に厳しい訓練があると思います。また、馬に乗る技術だけではなく、馬に関する専門的な知識についても学習します。1年間やった成果をですね、また、来年の4月に、皆様方全員、ここに集まれるように、努力していただきたいと思います。
 資料を見ますと、希望、野望を抱いて入ってきた皆様、特に厩務員、競馬関係を目指す方々が半分以上います。いままで37期までで500人以上の研修生がいますが、調教師になった方が二人います。皆様方もそういった大きな目標を持って頑張ってください。
 これまでの37期生までを見てきましたが、非常に遅刻が多い。今までの生活がガラッと変わり朝が早くなるのですが、夜更かしして朝起きられないという事例もありました。遅刻の回数を重ねれば何らかのペナルティがあります。十分心して研修にあたってください。また、この研修では20名が、寮で団体生活を送ります。一番重要なのは協調性です。人や馬を思いやる気持ち、あるいは、コミュニケーションの取り方、団体生活の中で育んでください。
 違法行為は当然許されません。未成年者は飲酒、喫煙は禁じられてます。過去の研修生の中には規則を破る例もあり、私どもも苦渋の決断をすることがありました。そういったことがないように気を付けてください」と叱咤激励した。

 この研修は、強い馬づくりを担う育成調教技術者を養成するため、平成4年に開講。4月15日に修了を迎える第37期生を含め、修了者数は535人、うち女性77人になる。

 第38期生の研修内容は、騎乗訓練、給餌方法、落馬防止訓練、曳き馬の方法、馬の手入れ方法、馬房清掃といった実技、事故防止について、コンプライアンス研修、馬の基本的な取扱い、厩舎の馬への給水と飼付といった学科に始まり、後半はJRA育成馬騎乗実習、せり前の手入れ法などの実技、馬の出産前後の管理、民間育成業者による講話といった学科がある。課外研修等も充実しており、トレーニングセール見学、OB・OGとの交流会、札幌競馬場開催見学、民間牧場実習などがある。