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リンノレジェンドが62代目の道営記念馬に輝く

  • 2019年11月11日
  • 迫る後続を突き放すリンノレジェンド
    迫る後続を突き放すリンノレジェンド
  • 3歳馬の同レース制覇は6年振り
    3歳馬の同レース制覇は6年振り
  • 62代目の道営記念馬に輝いた
    62代目の道営記念馬に輝いた
  • 厩舎スタッフも駆けつけた口取り写真
    厩舎スタッフも駆けつけた口取り写真
  • 今季ラストレースを彩った関係者のみなさん
    今季ラストレースを彩った関係者のみなさん

 15開催80日間に及んだ2019年ホッカイドウ競馬の最後を飾るのは第62回道営記念【スクリーンヒーロー賞】。11月7日、多くのファンに見守られながら門別競馬場で行われた。

 ファン投票1位のスーパーステションが回避を表明、2位のオヤコダカ、3位ヒガシウィルウィンなどの上位人気馬が出走し、3歳から8歳までの精鋭12頭が顔を揃えた。

 2.3倍の1番人気に推されたのは2017年のNAR年度代表馬ヒガシウィルウィン。古巣ホッカイドウ競馬に戻って来てからは複勝圏内を外していない安定感で、もう一度輝きを取り戻すチャンスと支持を集めた。2番人気は瑞穂賞で3年振りの重賞制覇を勝ち取ったバルダッサーレで3.9倍。3番人気は大井の黒潮盃、岩手のダービーグランプリを制し、地元での重賞勝利を目指す3歳馬リンノレジェンドで4.3倍、オヤコダカはそれに次ぐ4番人気となった。

 富川高校吹奏楽部によるファンファーレで今季ラストレースはスタート。お互いに牽制し合いながら先頭に立ったのは、初めて古馬と対戦するリンノレジェンド。バルダッサーレ、ドラゴンエアル、エスシーレオーネと続き、ヒガシウィルウィン、オヤコダカも中団からの競馬を選択した。向こう正面で早くもオヤコダカが進出を開始、連れてバルダッサーレにも鞭が飛ぶ。しかし、マイペースで逃げるリンノレジェンドが二の脚を使いスパート、後続に2馬身の差を付け堂々と道営記念のゴールを駆け抜けた。3歳馬の同レース制覇は、2013年のレオニダス以来6年振りの快挙。勝ち時計は2:07.2(曇・稍重)2着は一昨年の道営記念馬ステージインパクト(8番人気)、クビ差3着にモズオトコマエ(6番人気)と、やや波乱含みの結果となった。

 リンノレジェンドとコンビを組んで3戦3勝、名古屋競馬のリーディングジョッキー岡部誠騎手は「門別競馬場での初重賞勝利が、最高峰の道営記念だったことを光栄に思います」と挨拶。レースに関しては「馬の状態は良く、力を出せれば勝負になると思っていました。初めて古馬との対戦でどんな展開になるか未知な部分は多かったけど、積極的に前に行く馬もいないし、前走も逃げて押し切るレースができたので、この馬の持久力に賭けてハナを切りました。直線ではいつ交わされるかヒヤヒヤしましたが、バテずに粘ってくれました」と笑顔で振り返った。

 管理する林和弘調教師は、42回のスズオールマイティ、48回のバンブーボカ、54回のショウリダバンザイ、57回のウルトラカイザーに続き、道営記念5勝目。「夏を過ぎて自分からハミを取って走れるようになり、馬体も充実して心身ともに驚くほど成長しましたね。戦って来た相手も骨っぽい面子でしたし、同年代ならやれる自信はありましたが、今回は実績のある馬が相手なのでどうかな?という不安はありました。切れる脚はないので直線抜けてもドキドキしながら見ていましたが、最後までよく頑張ってくれました」と満面の笑みをみせた。

 リンノレジェンドは、父トビーズコーナー、母ピエールナオチャン、その父ケイムホームという血統の3歳牡馬で、生産は浦河町荻伏の上山牧場。2歳7月のフレッシュチャレンジ競走でデビュー勝ちを収め、川崎の鎌倉記念5着、北海道2歳優駿(Jpn3)6着。オフシーズンは大井競馬へ移籍し2勝目を挙げシーズンインと共にホッカイドウ競馬に戻って来ていた。3歳クラシック路線は三冠馬リンゾウチャネルに阻まれ勝利することはできなかったが、その後遠征し、大井の黒潮盃、岩手のダービーグランプリで二連勝を果たすと、一気に古馬の頂点にまで上り詰めた。