馬産地コラム

マツリダゴッホを訪ねて~レックススタッド

  • 2014年09月01日
  • マツリダゴッホ
    マツリダゴッホ
  • 現場での呼び名は「ゴッホ」
    現場での呼び名は「ゴッホ」
  • 今季も具合は絶好調
    今季も具合は絶好調
  • 初年度産駒のJRA重賞勝利で、注目を浴びている
    初年度産駒のJRA重賞勝利で、注目を浴びている

   レックススタッドで種牡馬生活を送っているマツリダゴッホ(岡田スタッド生産)を訪ねた。初年度産駒ウインマーレライがラジオNIKKEI賞(G3)を制し、第2の“馬生”も軌道に乗り始めている。

   マツリダゴッホは父サンデーサイレンス、母ペイパーレインという血統。おじに菊花賞馬ナリタトップロード、いとこにも重賞勝ち馬ダノンヨーヨーがいる。2003年に新ひだか町静内・岡田スタッドで生まれ、現役時代は名牝ダイワスカーレットを破った有馬記念(G1)Vをはじめ、オールカマー(G2)3連覇、日経賞(G2)、AJCC(Jpn2)など、とりわけ中山競馬場のレースに滅法強く、サンデーサイレンスの最終世代の傑作として活躍した。

   6歳の有馬記念(G1)を最後に引退し、故郷から近いレックススタッドで種牡馬入り。同系統の競合相手がひしめく中、初年度から昨年まで130頭前後の交配頭数を記録した。「体調に関しては絶好調ですよ。今季も無事に種付けを終えました。昨年より交配頭数は減少しましたが、受胎率は良く、種付けは相変わらず上手です。夏季は暑さで馬体をすっきり見せていますが、元気いっぱいに過ごしています。」と、近況を伝えてくれたのは、同スタッド・泉山義春場長。サンデーサイレンス産駒らしい気性の持ち主で、時折燃えたぎるような内面を垣間見せる。現役時代の姿のように、少し首さしの高いところが彼らしい。放牧地に苦手なアブがいると、どの馬よりも走りまわるので、暑い時期は涼しい時間帯、アブの少ないうちに放牧している。

   平場・特別の勝利もさることながら、その上の重賞Vはやはりインパクトが大きい。ウインマーレライの成果は、わっしょいわっしょいと言わんばかりに来季へ向けて父に追い風を吹かせる。泉山場長は、「やっとJRAの重賞勝ち馬を出せたので、ホッとしました。種牡馬として前評判が高く、頭数もつきましたから、少し肩の荷が下りた気分です。産駒は父同様、やはり芝向きですね。頭の高い馬もいますが、かつてのナリタブライアンのように、首を上手に使って走る産駒が目につきます。自身、好調期間の長い馬だったので、古馬となっても力を発揮できるでしょう。」と、声を弾ませる。2世代目も夏競馬で存在感を示し、クールホタルビは6月の新馬戦を快勝後、フェニックス賞では僅差2着に逃げ粘っている。豊富な産駒数を確保しているだけに、2世代目以降のこれからが正念場かもしれない。泉山場長は改めて期待を胸にする。

   「まだまだ活躍馬を増やしていけると思います。マツリダゴッホ自身は芝中長距離を得意としましたが、スピードのある産駒も登場していますし、次世代の走りも楽しみです。この勢いでもっと結果を出していきたいですね。」