馬産地コラム

マンハッタンカフェを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年12月18日
  • マンハッタンカフェ
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    マンハッタンカフェ

 3歳馬として挑戦した2001年の有馬記念(G1)に優勝。長く続いたテイエムオペラオー(5着)メイショウドトウ(4着)の“2強時代”にピリオドを打ったマンハッタンカフェは北海道安平町の社台スタリオンステーションで11年目のシーズンを迎えようとしている。

 「総合チャンピオンサイアー(2009年)の経験馬としては物足りないという意見もあるかもしれませんが、充実のシーズンだったと思います」と同スタリオンでは2012年シーズンを振り返った。

 年明けはガルボが東京新聞杯(G3)、ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)に優勝し、春から夏にかけては産経大阪杯(G2)を優勝、宝塚記念(G1)では3着になったショウナンマイティが。フミノイマージンは牝馬重賞のみならず札幌記念(G2)に優勝し、ダートではグレープブランデー、エーシンモアオバーも交流重賞で堅実な走りを見せた。

 「多彩な距離、そして芝ダート、性別を問わずに活躍馬を送れたことはマンハッタンカフェの可能性を広げたという意味で転機になるようなそんな年だったと思います」と1年を評価した。と、いうのも「例えばディープインパクトやダイワメジャーと得意とする分野が重なってしまったら、埋もれてしまう可能性があるんです。いろいろなカテゴリーで活躍することが、種牡馬としての価値を高める時代なんです」と説明してくれた。

 そして「来年にデビューする現1歳世代は、マンハッタンカフェがチャンピオンサイアーになった翌年の春に配合した世代です。配合牝馬の質、量ともに恵まれていますので十分に巻き返すチャンスがあると考えています」と期待をかけている。

 マンハッタンカフェはといえば、父譲りの青鹿毛の馬体は年が明けたら15歳になろうという年齢を感じさせないくらいに若々しく、時に放牧地を激しく走り回っている。そういえば、10歳以上年下のディープブリランテがスタッドインを果たしたとき、もっとも反応していたのがマンハッタンカフェだった。来シーズンからは天皇賞(春)(G1)を勝ったヒルノダムールと、NHKマイルC(G1)優勝のジョーカプチーノが種牡馬生活をスタートさせる。3200mと1600mのG1勝馬を同時に送り出すのもどこか象徴的ではあるが、父親としては負けられないところだ。

 「順調にシーズンを送ることさえできれば、結果を出せる種牡馬だと思います。サンデーサイレンス系種牡馬としてはベテランになってきましたが、若い馬を相手に存在感を示して欲しいですね」と熱い視線が送られている。