馬産地コラム

ハーツクライを訪ねて~社台スタリオンステーション

  • 2012年01月23日
  • ハーツクライ
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 昨年は種牡馬ハーツクライにとって躍進の1年となった。初年度産駒のウインバリアシオンが、青葉賞(G2)に勝利しただけでなく、日本ダービー(G1)、菊花賞(G1)で2着。キョウワジャンヌも秋華賞(G1)で2着入着を果たした。

 「今年度の種付け申し込みも数多くいただいております。やはりウインバリアシオンの活躍によって、芝の中長距離で大物が出るということが証明されたからではないのでしょうか」とは社台スタリオンステーションの徳武英介さん。

 繋養初年度は109頭だった種付頭数も、仔出しの良さや産駒の評判と相成ってどんどん数が増えていき、2010年は211頭と200頭をついに越え、種付料を上げた昨年は221頭と過去最高の数字となった。種付料をアップさせたのに種付頭数が増えたということは、それだけハーツクライが生産界に必要とされている種牡馬というだけでなく、配合される繁殖牝馬の質も上がったということでもある。

 「サンデーサイレンス系種牡馬ですが、母父にトニービンが入っているからか、首差しや肩のラインはトニービンを彷彿とさせます」(徳武さん)

 アメリカの二冠馬と凱旋門賞馬の血が日本で合致した結果が、5歳時のドバイシーマクラシック(G1)と言えよう。アメリカ、ヨーロッパと世界中から一流の競走馬が集まってくるこのレースで、ハーツクライは2着馬に4馬身差を付ける圧勝。世界にその名を轟かせた。

 「将来的には父のように世界の大レースを優勝するような産駒が現れて欲しいところです。また、現役時のライバルだったディープインパクトとの2世対決も今後はますます増えてくるでしょう」(徳武さん)

 そのディープインパクトだが、放牧地も離れており、顔を合わせることはまず無いという。直接対決は産駒に任せることにしよう。