馬産地コラム

サクラプレジデントを訪ねて~レックススタッド

  • サクラプレジデント~1
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  • サクラプレジデント~2
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  • サクラプレジデント~3
    サクラプレジデント~3
  • サクラプレジデント~4
    サクラプレジデント~4

 JRAの北海道シリーズを代表する札幌記念は、競走馬が新たなスタートをきるためのステップレースだ。97年に札幌開催が北海道シリーズの後半へと入れ替えられたのをきっかけに、ハンデ戦が別定戦へと変更され、G3格付けからG2格付けへと格上げされた。
 以降、このレースはここを目標とする馬と、秋のG1シリーズへ向かう馬の双方にとってなくてはならないレースになった。

 サクラプレジデントが勝利した2003年もそうだった。武豊騎手を配したサクラプレジデントと函館記念(G3)を制して意気あがるエアエミネム。前者にとっては日本ダービー(G1)2番人気7着から秋への巻き返しを狙うために負けられないレースであり、後者は同厩舎の先輩エアグルーヴ(97~98年)に続く2連覇を達成するためにどうしても勝ちたいレースだった。

 レースは快速ヒマラヤンブルーが引っ張る早い流れをエアエミネムが積極的に追いかけ、サクラプレジデントは後方2番手をマイペースで追走する展開。直線で早めに先頭にたったエアエミネムを力でねじ伏せるように交わしたのがサクラプレジデントだった。その後、菊花賞(G1)で惨敗したサクラプレジデントは翌年春の中山記念(G2)で1800m1分44秒9という驚異のレコードを樹立。しかし、その代償は大きく、そのレースがサクラプレジデントが先頭でゴールを駆けた最後のレースとなった。

 通算成績は12戦4勝2着4回。朝日杯フューチュリティS(G1)、皐月賞(G1)ともに時計差なしの2着。その一方で、2000m以内の距離であれば強さと速さを存分に見せた。サクラプレジデントという馬は惜敗を繰り返した偉大なるシルバーコレクターなのか、それとも大きな可能性を秘めた未完の大器だったのか。その答えを導き出せないまま新ひだか町のレックススタッドで種牡馬となり、7年目のシーズンを終えた。

 「母セダンフォーエバーがダービー馬サクラチヨノオーの全妹で、最優秀3歳牡馬サクラホクトオーの半妹という血統で、スペシャルウィークと同じマルゼンスキーの肌にサンデーサイレンスという配合です。優れた競走成績に加え、そんな血統背景もあって初年度から4年連続100頭以上の牝馬と交配した人気種牡馬です」とレックススタッドの海老原雄二さんは同馬をアピールする。

 「脚部不安による長期休養明けとなった天皇賞(秋)(G1)以外、2000m以下のレースでは連を外しておらず、神戸新聞杯(G2)ではネオユニヴァース、リンカーン、ザッツザプレンティらを完封しました。ハイレベルな世代の中でも間違いなくトップクラスの1頭で、市場での人気も高い馬です。現役時代に見せたスピード能力を産駒に伝えて欲しい」と期待を寄せている。

 普段は、「ピリっとしたところもありますが、それはサンデーサイレンス系に共通したものでもあります。扱いにくいということはありません。よい意味で競走向きの気性だと思います。種付けも上手で意欲的。さすがに血統馬だなと思いますよ」というのは同スタッドの泉山義春場長だ。

 さて、今年も札幌記念の季節がやってきた。ここをステップに秋を目指すトーセンジョーダンやカリバーン、ヤングアットハートといった新興勢力に、ここを勝ってサマー2000シリーズの優勝を決定的なものとしたいキングトップガンが挑む。ほか古豪アクシオン、洋芝の舞台は譲れないマイネルスターリーらが顔を揃えるレースとなった。見応えのあるレースになりそうだ。