馬産地コラム

アサカディフィートを訪ねて~新冠・協和牧場TC

  • 2009年04月06日
  • アサカディフィート~新冠町 協和牧場トレーニングセンター
    アサカディフィート~新冠町 協和牧場トレーニングセンター
  • 馬房には鶴留師から贈られた御守りが飾られている
    馬房には鶴留師から贈られた御守りが飾られている
  • 鶴留師から贈られた馬服を着るアサカディフィート
    鶴留師から贈られた馬服を着るアサカディフィート

  • 同

  2004年中山金杯GⅢ、2007年小倉大賞典GⅢ、2008年小倉大賞典GⅢと重賞3勝。10歳で制した2008年のレースは「最高齢馬のJRA平地重賞優勝」という記録を達成。“おじさん世代”へのエールを送りながら走り続けてきたアサカディフィートは、3連覇の掛かった2009年小倉大賞典(16着)を最後に引退、故郷の協和牧場へと帰って来ました。

 今回帰省したのは、生まれ故郷の新冠町明和にある協和牧場繁殖場では無く、同町西泊津地区にある協和牧場トレーニングセンター。のどかな牧場風景が広がる地域だ。市街地側には牧場見学の競馬ファンにもお馴染みの新冠温泉があり、その一角には分譲地も開発され「第二の人生」にこの地を選ぶ人もいる。

 2月14日に牧場に帰って来たアサカディフィートだが、馬運車には一緒に「名前入りの馬服、御守り、山盛りのニンジン」が積み込まれていたそうで、厩舎の方々に大切にされていた様子が伺える。

 「この馬は、オンオフ切り替えの利く馬で無駄な事は一切しません。こちらに帰ってきても、のんびりしていますよ。夏負けしやすい体質なので、毎年こちらに戻って夏休みを取っていましたが、切り替えの利く性格と毎年の休養が、長く競走生活を送ることが出来た秘訣でしょう。脚元や体には全く問題もなく、元気一杯です。今は、誰も乗せていませんが、新人スタッフが入ってきたら乗馬の練習に跨らせて“オープン馬の背中”を教えてやりたいと思っています。」と、トレセン厩舎長の小野剛さん。

 小野さん自身も、年を重ねるごとに上昇したアサカディフィートの“おじさん人気”には驚いていたそうで、そんな本馬を無事に功労馬として迎えられたことが嬉しそうだ。
「でも、飼い葉の時だけはうるさいんですよ。傍を人間が通るだけでエサを取られないように壁を蹴って威嚇して来ますから。」と苦笑いの小野さんだが、想像すると何か微笑ましい。 
 アサカディフィートの「第二の馬生」が、競走時代同様に長く幸せなものになる事を願いたい。

                                            日高案内所取材班

※アサカデフィートは現在見学は出来ません。見学可能になりましたら当サイトでご案内させていただきます。