馬産地コラム

イブキラジョウモンを訪ねて~高知県・土佐黒潮牧場

  • イブキラジョウモン
    イブキラジョウモン
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 1995年の中日スポーツ杯4歳ステークス(G3)を優勝したイブキラジョウモン(牡18歳、父アウザール 母イブキミスタリ)を高知県須崎市の土佐黒潮牧場に訪ねた。

 本馬は1995年1月デビュー。デビュー戦5着から3着2着と着順を上げて4戦目に初勝利、その後500万下、若草ステークスと3連勝した。初重賞挑戦が日本ダービー(G1)という大舞台、11番人気の9着と敗れたが、続く中日スポーツ杯4歳ステークス(G3)で見事に重賞初制覇を果たした。ここまで8戦4勝、この先どこまで活躍するかと期待されたものの、両前脚に屈腱炎を発症、苦しい闘病生活を続けながら、その後は5年間で4戦しか出走することが叶わなかった。2000年7月、最後となったレースで左後脚を複雑骨折、関係者の懸命な治療と働きかけにより、2000年8月より土佐黒潮牧場で余生を送ることとなった。BTC「引退名馬等のけい養展示」の助成対象馬としては、牧場にとって1頭目のラガーチャンピオン、2頭目のインターライナー(2005年8月死亡)に続く3頭目の受け入れとなる。

 本馬の近況について伺うと「こちらに来たときはかなり脚の状態が悪かったのですが、今は日常生活には問題が無いくらい良くなりました。うちの最初の功労馬でボス的存在だったブルーシーズが昨年の5月に亡くなり、今はラガーチャンピオンが表向きの“ボス”になっていますが、本当はこの馬が“真のボス”かもしれません。何かあったときだけ表に出てくるような頼もしさを持っていますね。」と濱脇さんは評価している。

 辛い闘病生活を送ってきた本馬だが、人間に対してはもの凄く人懐っこい。この日は、南側パドックの一番広い場所に放牧されていたが、「流星鼻梁白鼻梁鼻大白」の整った顔立ちで、こちらの眼をじっと見つめると、ゆっくりと歩み寄って来る。「見ての通りのイケメンで性格も良いから、牧場に遊びに来た競馬ファンはメロメロになっちゃうんだよ。」と濱脇さん。

 馬にとって苦痛でしかない闘病生活で人間不信に陥る馬も多いと聞く。本馬の人懐っこさから濱脇さん達の日頃の馬に対する接し方が伺える。これからも、多くの競馬ファンを虜にしてくれる事だろう。
取材班

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