馬産地コラム

あの馬は今Vol.48~高松宮記念オレハマッテルゼ

  • 今のオレハマッテルゼ~浦河 イーストスタッド
    今のオレハマッテルゼ~浦河 イーストスタッド
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2006年3月26日 第36回高松宮記念(中京競馬場)
優勝馬 オレハマッテルゼ
 

 かつて、戦前は鎌田牧場を経て、下河辺牧場の日高進出の拠点となり、また戦後はヤシマ牧場としてボストニアン(ダービー、皐月賞)ハクチカラ(ダービー、天皇賞・秋、有馬記念)ヤシマドオター(桜花賞、天皇賞・秋)ハクリョウ(菊花賞、天皇賞・春)などを送り出した名馬輩出の地。この由緒正しい土地が、農事組合法人イーストスタッドとして再スタートしたのは1993年の春のことだった(設立は1991年)。
  
 これまでにディンヒルやラストタイクーン、サンダーガルチなどといった世界の名種牡馬たちをけい養してきた、このスタリオンで第36回高松宮記念優勝馬オレハマッテルゼも種牡馬生活を送っている。サンデーサイレンス系独特の皮膚感に包まれた張り詰めた筋肉が美しい。
 「普段はそうでもないのだけど、テンションがあがったりすると秘めた激しさを表に出してきますね。そのときはサンデーサイレンスの直仔だなって思いますよ」と青木大典場長がおどけたようにいう。
 
 そういえば、1957年に製作された石原裕次郎主演の日活映画「俺は待ってるぜ」は、身分を隠して小さなレストランで働く元ボクサーが、殺された兄の復讐のために組織と対峙するアクションドラマだった。オレハマッテルゼも、激しさをたくみに包み込むあたりはヒーローの資格十分だ。
 「この母系は牝馬に活躍馬が多く、牡馬でG1レースに勝ったのはこの馬だけ。イーストスタッドとしてもサンデーサイレンスのG1ウイナーを迎えるには初めてだから力が入ります」と腕を鳴らしている。
 
 現在は種付シーズンど真ん中。「どんな馬でも初年度よりは2年目。2年目よりも3年目と苦戦する傾向が強い中、2年目の今年も変わらない配合数を確保できそうです」と表情も明るい。
 さすが、サンデーサイレンスのG1ウイナー。4番人気に挑んだ高松宮記念では、初めて経験する1200㍍の流れに戸惑うことなく、直線では末脚を爆発させた。ラインクラフト、シーイズトウショウらを振り切った33秒9の末脚は、例えそれが重賞初勝利であろうと“チャンピオン”にふさわしいものだった。
 
 「タイキシャトルと並んで、当スタッドでは1、2を争う人気者です。ちょっと変わった名前もファン心理に働きかけるのでしょうね」と笑った。とはいうもののデビューが3歳5月。重賞初制覇が6歳春。「オレハマッテルゼ」は馬自身の声ではなく、馬主はじめ関係者の心の叫びだったのかもしれない。
 あわてることはない。しかし、種牡馬の世界は悠長に構えてばかりもいられない。幸い、各地で産声をあげている初年度産駒は「骨格がしっかりしている」「俊敏」「柔らかい筋肉を持っている」と評判が良い。いまは、オレハマッテルゼを信じて、産駒のデビューを楽しみに待つことにしよう。

                  日高案内所取材班

 

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