馬産地コラム

あの馬は今Vol.50~天皇賞・春 スズカマンボ

  • 今のスズカマンボ~静内 アロースタッド
    今のスズカマンボ~静内 アロースタッド
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2005年5月1日 天皇賞・春
優勝馬 スズカマンボ

 競馬場がクラシックシーズンを迎える頃、馬産地日高には日、1日と春の足音が近づいてくる。人気内国産種牡馬を多数抱える、ここアロースタッドでも放牧地の色が急速に変わりつつある。その上では、磨き上げられた馬たちが、頭をのぞかせたばかりの新芽を捜してはついばんでいる。
 その中で、妙に芝のはげた放牧地。そこにスズカマンボがいる。「サンデーサイレンス直仔だけあって、気の強いところがあるんですよ」とスタッフが苦笑い。現役時代からひとまわり大きくなった体で、放牧地を走りまわり、まだ根付きが弱い芝を容赦なく跳ね上げる。さすがに古馬最高峰のレースを制した馬だけあって凄いパワーだ。
 
 そういえば、あの日の京都競馬場も芝が跳ね上がる馬場だった。良馬場発表とはいえ、朝から降り続く雨は激しさを増し、芝はたっぷりと水分を含んだような状態になっていた。
 ゲートが開くと、真っ先に飛び出したのはビッグゴールドだった。後続を離して気分良さそうにレースを引っ張るがペースが遅い。各馬、各騎手が思い々々にポジションを替えるので、めまぐるしく展開が変わる。1周目の1コーナーをまわるあたりで、雨が嫌いなシルクフェイマスが一気にハナを奪う。前半は後方に位置していたはずのヒシミラクルがいつの間にか先行グループに取り付いている。逆にザッツザプレンティは位置を下げてチャンスをうかがい、1番人気のリンカーン、2番人気のマカイビーディーヴァは人気を背負っている分動きにくそうだ。スズカマンボに騎乗した安藤騎手は迷わずに、後方のインでじっと脚をためている。
 レースが動いたのは4コーナー手前から。ビッグゴールドが一気に先頭に踊り出て、逃げ込みを図る。そこに襲い掛かったのはスズカマンボだった。悪いはずのインを進出。あっという間に先行勢に並んだと思ったら、突き放してゴールへと飛び込んだ。“未完の大器”と言われ続けた大物が、ようやく大舞台で花開いた瞬間だった。
 
 しかし、その約1年後、左後肢の繋靭帯を不全断裂。競走生命どころか、生命そのものが危ぶまれるような重傷を負ったが、関係者の懸命な治療により大きなタイトルとともに種牡馬となった。
 さすがにサンデーサイレンスのG1ウイナーと言うタイトルは伊達ではなく、産地の期待は高い。初年度に96頭、2年目にも92頭の繁殖牝馬に配合を行い、3年目の今年も変わらぬペースで配合をこなしている。
 「産駒は高いレベルで安定していると思います。確かな手応えを感じますね」と関係者は産駒のデビューを心待ちにしている感じだ。待望の初年度産駒デビューは、来年だ。

日高案内所取材班

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