重賞ウィナーレポート

2018年03月11日 金鯱賞 G2

2018年03月11日 中京競馬場 晴 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スワーヴリチャード

プロフィール

生年月日
2014年03月10日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
891,324,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ピラミマ(USA)  by  Unbridled's Song(USA)
馬主
(株) NICKS
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
庄野 靖志
騎手
M.デムーロ

 9頭立てで行われた今年の金鯱賞(G2)。その中にノーザンファーム生産馬は4頭が出走、育成馬も含めると6頭が出走していたが、そのうちの4頭(スワーヴリチャード、サトノノブレス、サトノダイヤモンド、アクションスター)が、ノーザンファーム空港のR厩舎の育成馬。そして、スワーヴリチャード、サトノノブレス、サトノダイヤモンドの3頭がワンツースリーフィニッシュを果たした。

 「育成馬における重賞での上位独占は初めてのことです。上手く行きすぎだと思いますし、上位に入った馬たちが、この後に繋がるレースを見せてくれたことにもホッとしています」と話すのはノーザンファーム空港、R厩舎の厩舎長である佐々木淳吏氏。逃げて2着に粘ったサトノノブレス、メンバー中上がり最速の末脚で3着に入ったサトノダイヤモンドも、次走が楽しみになるようなレースとなったが、その中でもサトノノブレスをマークするという積極的なレースを見せて、ゴール前では測ったかのように半馬身差前に出たスワーヴリチャードの強さは際だっていた。

 「ペースが落ち着いたのを見て、ポジションを上げた時には行きたがるような素振りを見せましたが、そこで折り合いを付けてくれた辺りは、さすが、M.デムーロ騎手だなと思いました」

 前走の有馬記念(G1)では7枠からの出走も影響したのか、後方からのレースを余儀無くされ、上がり34秒5の末脚を使うも4着に敗退。しかし、この金鯱賞(G2)では2番手でレースを進めながらも、メンバー中2位となる上がり33秒8の末脚を使った辺りに、成長の跡と展開や流れに左右されないレース巧者ぶりが証明されていた。

 「皐月賞(G1)以来となった2000mの距離も問題としませんでしたし、先を見据えたレースをしながら最高の結果を残してくれたことが何よりも嬉しいです。サトノノブレスも年齢を感じさせない程の粘り腰を見せてくれましたし、サトノダイヤモンドも改めて能力の高さを証明するような末脚を見せてくれました。レースの想定を見た時には、ここでぶつかるのかとの思いはありましたが、今年初戦としてはそれぞれが最高のレースを見せてくれたと思いますし、次走に予定されている大阪杯(G1)でも、どんなレースを見せてくれるか楽しみになりました」

 8歳を迎えたサトノノブレスとアクションスター、5歳世代のサトノダイヤモンドやゴールドドリーム、4歳世代のスワーヴリチャードだけでなく、共同通信杯(G3)を制した3歳世代のオウケンムーンと、各世代毎に重賞馬、もしくはオープンの活躍馬を送り出しているR厩舎育成馬の活躍には驚かされる。ゆくゆくは、R厩舎出身馬の3歳世代と古馬世代の戦いも見られることだろう。

 「各世代から活躍馬が誕生していることは嬉しい限りです。今後も厩舎のスタッフと共に、日々の管理をしっかりと積み重ねて行きながら、世代を問わずに大きな舞台で競馬が出来る馬を送り出して行きたいです」

 次走に予定されている大阪杯(G1)は、スワーヴリチャードにとって4度目のG1挑戦となる。

 「先日、庄野先生と話す機会がありましたが、『オーナーには本当にお世話になっているだけに、スワーヴリチャードには大きなタイトルを取らせてやりたい』とも話していました。自分もその気持ちは一緒ですし、それをこの大阪杯(G1)で果たしてくれるのではとの期待もあります」

 R厩舎の育成馬たちが主役を務めそうな今年の大阪杯(G1)。その中でも、最も勝利に近い場所へ踊り出たのは、スワーヴリチャードだと言えるだろう。